シーフードガイド

タラ類

イラスト©鈴木勝久
標準和名
スケトウダラ
標準的な大きさ
70~91cm
タラ類は、イギリスの代表的料理フィッシュ&チップスなど、世界中の多くの国で食されています。過去にはイギリスとアイスランドで、タラをめぐった戦争が起きたほど重要な魚です。日本人が多く消費しているのはマダラとスケトウダラで、鱈という漢字のとおり、雪の降る北国の代表的な魚です。マダラは切り身として鍋料理などで食されることが多い一方、スケトウダラは、かまぼこ・ちくわ・カニカマなどのすり身や白身フライの原料、卵はタラコや明太子として、多く食されています。
天然
養殖
評価解説
適切な資源管理と
生態系へ配慮した漁獲方法が重要に
マダラの資源量は、おおむね良好ですが、タラ類の主な漁獲方法である、底曳き網、刺し網は、生態系への悪影響が大きいため注意が必要です。具体的には底曳き網漁では海底を傷つけたり対象外の生物まで獲ってしまうリスク、刺し網漁ではイルカや海鳥など、漁の対象ではない生物の命を奪うリスクがあります。
同様に、スケトウダラについても、漁獲方法による生態系への悪影響に加え、日本海北部の資源量が著しく減少しているため、より一層の注意が必要です。
このような背景もあり、アラスカのスケトウダラ漁では、海底を傷つけること無く漁獲できる中層曳き網漁を採用し、MSC認証を取得しています。日本の漁業においても、適切な資源管理に加え、生態系への配慮をした漁法への転換が必要とされています。
世界の主な漁場
主な漁法