© David Lawson / WWF-UK

未来の動物専門家たちに向けたメッセージ


日々、メディアなどでも注目度を増す野生動物のペット利用問題。ペットとして飼育されている野生動物の逃走や遺棄が起きています。

もちろん、法規制等により飼育や取引について取り締まることも大切ですが、動物を取扱う業界自身も自ら変わっていくことが求められています。

そんな中、将来動物に関わるお仕事に就くことを目指す学生のみなさん約180名に向けて、野生動物のペット利用の問題や関連法規について話してほしいとTCA東京ECO動物海洋専門学校から依頼を受け、特別講義を実施しました。

講義では、まず野生動物のペット利用の現状やその問題点について、具体例を交えながら説明。

ヨウム(Psittacus erithacus)はペットとしての人気が高まったことで乱獲や違法取引が起こり、2016年に国際的な商取引が禁止されました。
© Michel Gunther / WWF

ヨウム(Psittacus erithacus)はペットとしての人気が高まったことで乱獲や違法取引が起こり、2016年に国際的な商取引が禁止されました。

さらに、国際的な希少野生動植物の取引を規制するワシントン条約や、日本国内における野生動物に関する法律の基礎と、過去の違法事例や業界で働く立場で注意しなければならないことをお伝えしました。

当日は、90分という長丁場ながら、学生のみなさんは熱心に講義に参加。

講義後の感想からは、

  • 違法に動物が販売されていた場合は然るべき対処を行ないたい
  • 将来動物に関わる仕事に就いた場合には、事業者としての責任を意識し行動したい

などの声が聞かれました。

未来の動物の専門家たちに向けた、今回の特別講義。

学生のみなさんからは理解を深めただけでなく、将来動物に関わる仕事に就いた時に、野生動物を共に守っていきたいという決意が感じられました。

近年では、フクロウ類を含む様々な野生動物へのペット需要が高まっており、絶滅のおそれが高まったり、飼いきれなくなったペットの遺棄などの問題が生じています。問題の解決には動物を取扱う事業者の自主的な変革が必要不可欠です。
© Kari Schnellmann

近年では、フクロウ類を含む様々な野生動物へのペット需要が高まっており、絶滅のおそれが高まったり、飼いきれなくなったペットの遺棄などの問題が生じています。問題の解決には動物を取扱う事業者の自主的な変革が必要不可欠です。

野生動物のペット利用問題の一日も早い解決のため、今後とも多角的なアプローチを続けていきます!

(野生生物グループ 岡元)

【寄付のお願い】好きだからこそ 違法な取引から野生動物を守りたい

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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