アマゾンでジャガー保全ワークショップ開催!
2024/09/06
WWFジャパンが支援する、ブラジル・アマゾンでのジャガーの保全活動。
これまでカメラトラップ(自動撮影カメラ)を用いて現地での生息状況や個体数密度の調査を行なってきましたが、ジャガーを守っていくためには、こうした知見を活用すると共に、生息地域に暮らす人々の理解を得て、共生社会が実現されることが不可欠です。

開発や都市化のための森林破壊により、かつての生息地の約半分を失ったジャガー。そんな中アマゾン一帯は豊かな生態系を擁し、ジャガーにとって「最後の楽園」ともいうべきすみかです。
そこで2024年6月11日と12日、アマゾン地域内に位置するブラジルのアマパ州の州都マカパにおいて、さまざまな関係者たちの意見を取り入れながら、より良いジャガー保全計画を検討するためのワークショップがWWFブラジルにより開催されました。
当日は、先住民コミュニティ、州政府、現地大学および現地NGOから25名の方々が参加。
WWFスタッフと共に社会、政治、技術など多角的な側面からアマパ州においてジャガーへの脅威を減らし、共生していくための道筋について話し合いが行なわれました。

熱心に議論が行なわれているワークショップの様子。「自分事」として捉えてもらうためにも、地元の関係者に直接参加してもらうことには大きな意義があります。
今回のワークショップで、家畜放牧、鉱山採掘、森林破壊、人とのあつれき(軋轢)など、ジャガーにとっての脅威がいくつも浮き彫りになりました。
中でも地域住民とジャガーとの間で生じているあつれきの問題が深刻で、人々がジャガーの獲物となる動物を狩猟することや、家畜をジャガーに襲われたことに報復するため駆除が行なわれていることなどを早急に解決していく必要性が示されました。

アマゾン地域で森を切り開き行なわれている家畜放牧の様子。こうした家畜を襲うのは野犬やピューマなど他の動物であることもありますが、ジャガーの仕業だとして報復のためにジャガーが駆除されるケースが多発しています。
私たちは、これからも地元の方々と協働しながらより良い「共生社会」が実現されることを目指して、ジャガーの保全活動を続けていきます。