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法的拘束力のある世界共通ルールを!プラスチック国際条約に関する投票を開始

プラスチック汚染のない未来のために投票しましょう!


<br>このプラスチック製フォークを誰も使わなければ、体内に取り込まれるマイクロプラスチックを減らせるかもしれない。<br>
<br>このストローを誰も使わなければ、飲料水に含まれるマイクロプラスチックを減らせるかもしれない。<br>

過剰に生産・消費されたプラスチックが川や海に流入し、野生生物の命を奪い、食べ物や空気、水を汚染しています。しかも、状況は悪化し続けています。

2024年4月23日より、各国政府はプラスチック汚染を根絶するための国際条約の第4回 政府間交渉委員会(INC-4)のため、カナダ・オタワに集結します。この条約は、深刻化し続ける世界的な危機に対する、国際的な解決策を生み出す千載一遇の機会です。

各国政府が、法的拘束力のある世界的なルールに基づいた野心的で公正な条約に合意しない限り、プラスチック汚染は2040年までに3倍に増加し、私たちの食料や水にも蓄積され、排水システムを詰まらせることで洪水を引き起こすリスクを悪化させることになります。

このような事態を放置しておくわけにはいきません。この危機を解決するために、すべての国が、回避可能なハイリスクのプラスチック製品、つまり特に有害なプラスチック製品や環境中に流出しやすいプラスチック製品を禁止する条約を採択しなければなりません。

特に有害で使用を回避することが可能なプラスチック製品の「使い捨て」での使用が多すぎることが問題です。これらの使用をゼロにする規制を盛り込んだ国際条約を発足させるために、あなたの声が必要です。

WWFは、このような法的拘束力のある世界的なルールを盛り込んだ、野心的で公正な条約に各国政府が合意することを求めています。

プラスチック汚染のない未来のために投票しましょう。

プラスチック汚染の本当の影響

<br>このプラスチック製コップを誰も使わなければ、途上国でデング熱が発生するリスクを激減できるかもしれない。<br>

世界的なプラスチック危機による悪影響は、均等にもたらされているわけではありません。低・中所得国を中心とする最も脆弱な地域社会が、最悪の打撃を受けています。

低・中所得国は、世界的なプラスチックに対応する必要にいっそう迫られています。しかし、世界のプラスチックの生産量と消費量は急激に増加し、その多くはリサイクルすることが難しかったり、危険であったりするため、十分に対応することは不可能です。結局、私たちがリサイクルされていると思っているプラスチックは、実際には川や海に流出し、地域社会に深刻な事態をもたらしているのです。

なぜ禁止が必要なのか

このレジ袋を誰も使わなければ、洪水で家を失うリスクを減らせるかもしれない。

プラスチックの大量生産と大量消費はすでに制御不能となっています。私たちは、責任を持って管理することが不可能な方法で、必要以上のプラスチックを半ば強制的に供給され続けているのです。

これまでプラスチックの生産者は、販売後の責任を十分に果たすことなく生産を続けてきました。このように生産者には世界的なルールも義務も課されないため、人類と地球がその悪影響を受けています。そして今、私たちは国境を越え、すべての人を危険にさらす脅威に直面し、その脅威は悪化し続けています。

地球を汚染するプラスチックの90% 以上は、カトラリーのような使い捨てプラスチックや、化粧品に添加されるようなマイクロプラスチックで占められています。プラスチックの生産の急拡大を放置したまま、社会にリサイクルの推進を求めるだけでは問題は悪化する一方です。プラスチック汚染を解決するためには、 汚染度や有害性が特に大きいプラスチック製品や素材を禁止し、すべての国がリユースを前提とした社会システムに移行することを支援する必要があります。

日本政府の立場は?

<br>このプラスチック製綿棒を誰も使わなければ、赤ちゃんがマイクロプラスチックを体内に含んで生まれるのを防げるかもしれない<br>

すでに大多数の国の政府が、問題のあるプラスチック製品の国際的禁止を含む、公平で拘束力のある条約を支持していますが、日本のような発言力のある国からの明確な支持が必要とされています。

日本政府も野心的な条約を求める「高野心連合」に参加しています。しかし日本政府は、世界各国のプラスチック対策を一律に規定するような「拘束力のある世界共通ルール」を前提とした条約ではなく、これまでのように各国に対策を委ねる形式での条約を目指しています。

例え条約が発足したとしても、このような現状維持の形式であれば、深刻なプラスチック汚染の解決はさらに先送りされることになることでしょう。

日本政府は、「拘束力のある世界共通ルール」に基づく野心的な条約を発足させるために、これまでの立場を転換する必要があります。

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