© WWF-Sweden / Ola Jennersten

国際ジャガーの日 2024


毎年、11月29日は「国際ジャガーの日(International Jaguar Day)」。

そんな記念すべき日に寄せて、ジャガーの驚くべき1面をご紹介したいと思います。

言わずもがな、ジャガーはネコ科に属する動物です。
一般的にネコ科といえば…「泳ぐのが苦手」!

これは間違いではなく、基本的に多くのネコ科動物は泳ぐことを得意としてはいませんが、中には例外的に得意な動物もいて、ジャガーもそのうちの1種。

ネコ科動物のうち、ジャガー以外にはスナドリネコやトラなども泳ぎを得意としています。
© WWF-Sweden / Ola Jennersten

ネコ科動物のうち、ジャガー以外にはスナドリネコやトラなども泳ぎを得意としています。

このため、ジャガーは川や湖を移動できることはもちろんのこと、水中にいる魚やワニなどを捕食することができます。

特に南米大陸のほぼ中央に広がる世界最大級の大湿原、パンタナール地域に生息するジャガーはなんと獲物の約半分がワニ類、残りのうち約4割が魚類であるという報告もあります。

ワ二を捕食している様子。
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ワ二を捕食している様子。

ジャガーの主要な獲物は生息地域の環境により異なることが知られており、陸域ではペッカリーやアルマジロといった哺乳類を主に捕食しています。本写真は南北アメリカ大陸に生息するクビワペッカリー。
© Andre Dib / WWF-Brazil

ジャガーの主要な獲物は生息地域の環境により異なることが知られており、陸域ではペッカリーやアルマジロといった哺乳類を主に捕食しています。本写真は南北アメリカ大陸に生息するクビワペッカリー。

このように意外な1面を持ち、南米最大のネコ科動物として生態系における重要な役割を果たしているジャガーですが、取り巻く状況は年々深刻化しています。

その脅威としては開発や伐採による環境破壊、汚染、獲物動物の減少や害獣としての駆除が挙げられ、温暖化による異常気象で森林火災が深刻化していることも拍車をかけています。

世界のジャガーの2/3が暮らし、私たちが保全活動に取り組んでいるアマゾンの熱帯雨林も、状況は深刻です。

このまま人為的な悪影響が続くと2050年までに、アマゾンの生態系は崩壊するとも言われています。

アマゾン地域で2019年に観察された、森林火災の様子。2023年、2024年も、大規模な干ばつがアマゾンを襲い、火災が深刻化しています。
© Araquém Alcântara / WWF-Brazil

アマゾン地域で2019年に観察された、森林火災の様子。2023年、2024年も、大規模な干ばつがアマゾンを襲い、火災が深刻化しています。

こうした問題を解決し、いつまでも「国際ジャガーの日」にジャガーたちとの未来を思い描ける日が続くように。

引き続きジャガーたちとその環境を守る活動に励んでいきます。

【寄付のお願い】ジャガーの未来のために|野生動物アドプト制度 ジャガー・スポンサーズ

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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