© Therese Watz / WWF

WWFジャパン設立から52年 活動へのご支援に対する感謝を込めて


皆さまこんにちは。
WWFジャパン事務局長の東梅です。

本日9月22日、WWFジャパンは52回目の誕生日を迎えました。

地球環境の問題、野生生物の危機に共に思いを致し、私たちの環境保全活動にご理解とご支援をくださっている皆さまに、あらためて心からの御礼を申し上げます。

毎年、9月22日がやってくると、この1年にあったさまざまな出来事を思い出します。

まず、生物多様性を回復させるための取り組みについては、新型コロナの影響によって、多年にわたり先延ばしにされてきた、新たな国際枠組み「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の国際合意が、昨年12月の国連会議(CBD COP15)でついに成立しました。

これによって、私たちが長年成立を求めてきた、気候変動(地球温暖化)防止・脱炭素の国際目標である「パリ協定」とならぶ、生物多様性保全のための世界の目標も合意に至りました。

今年1月に開かれたダボス会議でも、環境やサステナビリティが議題の一つとして取り上げられ、WWFも企業や金融機関向けたツール「生物多様性リスクフィルター」を発表するなど、生物多様性に対する世界の政治やビジネスのリーダーの関心は、確実に高まりつつあります。

また、気候変動の取り組みについても、同じく昨年11月に開催された国連会議(COP27)で、国連がネットゼロの定義が新たに提示。
さらに今年6月にはIPCCが発表した新たな報告書(AR6)の中で、深刻な気候変動の影響を回避するためには、「2035年までに世界全体で温室効果ガスの排出を60%削減する必要がある」という見解を示し、より踏み込んだ対策の必要性が示されるなど、今後の取り組みに大きな影響を及ぼす出来事のあった一年となりました。

この他にも、広島でのG7サミットにおけるエネルギーや環境に関連した議論や、世界の森林破壊防止のためのEUの新法の成立、企業による責任ある水資源の管理促進を目的とした「アライアンス・フォー・ウォーター・スチュワードシップ(AWS)会議」の日本で初めての開催など、私たちWWFジャパンが直接、活動を通じてかかわってきた動きだけでも、たくさんの進展がありました。

しかし一方で、地球環境の危機は今も続いています。
WWFは昨年10月に発表した『生きている地球レポート』の中で、地球の生物多様性の豊かさが、1970年から69%も低下してしまったことを指摘しました。

IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」が明らかにした、絶滅の危機にある世界の野生生物の種数も4万2,108種を数え、前回のリストの更新時から600種あまり増加しています。

こうした中で、私たちは自分たちのテーマである、地球の自然環境を守るという取り組みを、より多くの方々と、大きく、広がりを持つものにしていかねばならないと、あらためて強く思います。

ウクライナ情勢や物価の高騰など、世界も日本も非常に厳しい中ではありますが、未来に向けた大事な挑戦として、私たちはこれからも環境保全の活動に取り組んでいきます。

皆さまにはこれからも、WWFジャパンの活動への変わらぬご理解とご支援をいただければ幸いです。

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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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