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2025年の3月11日を迎えて


こんにちは。
WWFジャパン事務局長の東梅です。

今年の3月11日を迎えるにあたり、東日本大震災の犠牲になられた方々に、そして親しい方を亡くされた多くの皆さまに、あらためまして心からのお見舞いを申し上げます。

東日本大震災から14年が経ちましたが、その間、日本では能登半島での大震災をはじめ、さまざまな災害が生じてきました。

そして、そうした災害の多くは、環境保全に取り組む私たちWWFにとっても、大きな壁となり、時に新たな挑戦のきっかけにもなってきました。

東日本大震災の折には、津波で被災した宮城県南三陸町のカキの養殖業の復興にあたり、地域の漁業者の方々を支援する取り組みを実施。

地元の皆さんの大変なご努力によって、その後、日本で初となる、持続可能な養殖業の国際認証「ASC」の取得が、南三陸町で実現しました。

また先月2月には、同じく能登で、震災復興と持続可能な漁業の促進に、同時に取り組むことの大切さを考えるシンポジウムを開催。

こちらに、南三陸で震災復興の中、持続可能な漁業に取り組んだ方々をお招きし、復興時の苦労や、サステナブルな漁業への復興によって、地域の漁業自体が、震災前にも増して活性化している現状をお話しいただきました。

能登の皆さまとは、持続可能な漁業の推進のため、私たちWWFも震災前から対話を行なってきましたが、そうした方々にとっても、実体験に基づいた今回の南三陸の方々のお話は、確かなエールとなったようです。

災害からの復興、そしてこれまでの漁業の課題を解決する取り組みにも、環境保全を活かしていく。そんな挑戦に、知恵と力を振り絞っていきたいと思います。

震災のような自然災害は、起きるのを防ぐことはできません。

しかし、そこからの復興に向けて、立ち上がる意思と力があれば、それは人と自然とが新しい関係を築き、次世代の未来を拓くことにつながると信じます。

東日本大震災から14年、この日、あらためて環境保全団体である私たち自身が果たすべき役割と、取り組むべき活動を振り返り、明日からの一歩を踏み出したいと思います。

皆さまにはぜひ、その道を共に歩んでいただきますように、そしてWWFの活動に、変わらぬご理解とご支援をお願いいたします。

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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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