税関研修所で「ワシントン条約」をレクチャー
2019/07/01
私たちWWFジャパンの野生生物監視部門であるTRAFFICは、毎年、税関職員の研修で「ワシントン条約」のコマを担当させていただいています。
今年も先日6月13日に財務省の税関研修所で、300名近くの新入関職員さんにお話しをしてきました。
NGOが講師を担当するのは珍しいことかも知れませんが、実はTRAFFICは「ワシントン条約」と深いつながりがあります。
「ワシントン条約」は、過度な取引によって野生生物が絶滅するのを防ぐための条約として、1975年に発効しました。
そして、条約の実施をサポートするために翌1976年に、WWFとIUCN(国際自然保護連合)の共同プログラムとして発足したのがTRAFFICです。
このようにTRAFFICと「ワシントン条約」は歴史的にも密接なつながりがありますが、実は「ワシントン条約」と税関の仕事も、強くリンクしています。
ワシントン条約では、ペットとして取引されるカメやカワウソなどの野生動物をはじめ、観賞用のランやサボテンなどの植物、食用のウナギ、装飾品の象牙や漢方薬など、およそ36,000種の生きものが対象になっています。
それらの国際取引を水際で管理するのが「税関」です。
日々膨大な数のモノの出入りをチェックする税関で、多様な種類・形態の野生生物の出入りを管理するのは容易なことではありません。中には、希少であるがゆえに「密輸」が企まれることもあります。
実際に、爬虫類やカワウソをはじめ、日本に向けたエキゾチックペットの密輸は後を絶ちません。
今回TRAFFICが講義をさせていただいた職員さんは、この後全国の税関に配置され水際取り締まりの第一線に立っていく方々です。
私たちはこれからも、研修を通じた税関のサポートや、空港での協働のキャンペーンを継続実施していきます。