日本でコツメカワウソの密輸が発覚
2019/01/23
本日、警視庁から、コツメカワウソを密輸しようとした日本人の容疑者2名を1月21日に逮捕した、という発表がありました。
事件が発覚したのは昨年10月。タイから日本へ違法に持ち込んだ5頭のコツメカワウソを、東京税関の職員が発見したというものです。容疑は関税法違反です。
コツメカワウソは生息地である東南アジアでは、森林の減少などによって絶滅が心配されている野生動物。「ワシントン条約(CITES)」でも「附属書Ⅱ」に掲載されており、野生生物の国際取引が規制されています。
日本では時に100万円以上の値が付くペットとして、また動物園などの花形として大人気を博していますが、こうした野生での絶滅の危機や、保護の対象となっていることは、あまり広く認識されていません。
今回のような違法取引の事例も後を絶たず、昨年、私たちが実施した緊急調査でも、2017年に東南アジア4カ国で押収された生きたカワウソ45頭のうち、32頭が日本向けであったことが分かりました。
今年5月にはスリランカで「ワシントン条約」の第18回締約国会議(COP18)が開かれますが、これに向け、コツメカワウソを「附属書Ⅰ」に掲載する提案も出されています。
提案が採択されれば、商業目的の国際取引は全面禁止となり、日本国内の取引についても、国への個体登録などが義務として求められることになるでしょう。実現すれば、保護活動上の大きな前進ですが、そもそもこのような対応が必要になる時点で、残念なことと言わねばなりません。
まだまだ日本ではカワウソ人気が続きそうですが、その裏側にある問題にもしっかり注目していただけるように、取り組みを続けていきたいと思います。