「税関」という野生動物保護の現場で
2017/03/10
皆さんは、税関と聞くと何をイメージされるでしょうか?
先月、横浜港で摘発された大規模な麻薬密輸事件? また、マスコットキャラクターのまん丸なカスタムくんでしょうか?
税関は、財務省に属する機関で、外国に輸出できる物や輸入してよい物について、国際的なルールがきちんと守られるよう、書類チェックや物品の検査をするところです。
輸出入が規制されるものには、麻薬など違法薬物や銃器、偽ブランド品などの他に、保護が必要な野生生物も含まれます。
例えば、トラの毛皮、ワニ革のベルト、象牙のアクセサリー、センザンコウが入った伝統薬、生きたスローロリスやランの鉢植えなど。
こうしたモノを意図的に密輸しようとする輩もいますし、ルールを知らずにうっかり買って来てしまう人もいます。
いずれの場合も、ルール違反が発生しないよう目を光らせるのが税関職員です。
私たちトラフィックは、長く野生生物取引にかかるNGOとして、世界各地の税関でワシントン条約について解説したり、輸出入が規制される野生生物を見分けるスキルや情報を提供したり、海外の密輸の手口を紹介したりして、そのお仕事をサポートしてきました。
先日も、横浜税関と東京税関の職員向け研修に講師として参加。
これは経済産業省の職員や専門家を招いた研修で、国の水際をあずかる大変な仕事の合間を縫って行なわれたものです。
真剣に違法な野生生物取引を取り締まろうとされている頼もしい職員の皆さんにお会いして、私たちも頑張らねば!と強く思いました。
税関もまた、野生動物保護の現場の一つです。
春休み、海外旅行を計画されている方は、お買い物の際にはくれぐれも気を付けて、税関でカスタムくんに呼び止められないようにしてくださいね。(トラフィック 若尾)