「スクール・パリ協定 2022-2023」勉強会の概要 および資料


気候変動の国際交渉・国内対策のシリーズ勉強会

WWFジャパンでは、複雑化する温暖化の科学や国際交渉について、日本の視点から今もっとも大切だと思われる論点を整理し、ジャーナリストの皆様と意見交換させていただくシリーズ勉強会を、2008年から開催してきました。2015年末のパリ協定採択を受けて、2022~2023年も引き続き、パリ協定の実施に向けての国際交渉と国内対策を取り上げる「スクール・パリ協定」として開催します。

これまでの勉強会の概要 および資料

こちらのサイトでは、これまでの勉強会で使用している資料を公開しています。 国際交渉の内容は日に日に更改されていきますので、内容につきましては、常に最新の情報をご確認ください。

第4回:気候変動に関する国連会議 COP28 の注目点~COP28 専門編~(2023年11月20日開催)

気候変動に関する国連会議COP28が、アラブ首長国連邦のドバイで、2023年11月30日から12月12日まで開催されます。取材される報道関係者向けにCOP28の注目点について解説しました。
今年のドバイCOP28では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新報告をベースに、2035年の削減目標についての議論が始まります。また2022年末のCOP27で合意された損失と損害の基金の設立や、化石燃料の段階的削減などが話題になってくることが予想されます。COP会議はパリ協定のルールを議論する場ですが、今は世界の投資家や企業、都市自治体がこぞって国際的な連盟を形成し、具体的な脱炭素化に向けた約束を標ぼうする場にもなっています。その非国家アクターの動きについても解説しました。
講師は、COP会議に18年以上にわたって参加しているWWFジャパン小西雅子、山岸尚之、および日本の非国家アクターの動きにも詳しい田中健の3名です。

第3回:気候変動に関する国連会議 COP28 の注目点~COP28 基礎概要編~(2023年10月25日開催)

気候変動に関する国連会議COP28が、アラブ首長国連邦のドバイで、2023年11月30日から12月12日まで開催されます。COP28の注目点について基礎から分かりやすく解説するウェビナーを開催しました。
COP28会議は、そもそもはパリ協定のルールを議論する場ですが、今は世界の投資家や企業、都市自治体がこぞって国際的な連盟を形成し、具体的な脱炭素化に向けた約束を標ぼうする場にもなっています。めまぐるしく変わる脱炭素経済の先行きを読み解くには、会議の結末のみならず、議論の方向性を知ることが非常に重要です。
今年のドバイCOP28では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新報告をベースに、2035年の削減目標についての議論や、2022年末のCOP27で合意された損失と損害の基金の設立、化石燃料の段階的削減などが話題になってくることが予想されます。その注目点について、WWFジャパン小西雅子、田中健が分かりやすくお伝えしました。

第2回:グリーンウオッシュ(見せかけの環境配慮)と言われないためには? ~VCMIの発表した新コードとSBTiの考え方~(2023年8月24日開催)

世界では、企業の脱炭素行動をグリーンウオッシュ(見せかけの環境配慮)とする批判の急増を背景に、規制が強化されています。特にネットゼロ目標を達成する方策として、カーボンクレジットを使ったオフセットには厳しい目が向けられています。国際的な指針が求められるなか、2023年3月にICVCMが、7月にVCMIが新しい評価軸を発表しました。グリーンウオッシュと批判されないために、企業が知っておきたいネットゼロのグローバルスタンダードの最前情報を解説するセミナーを開催しました。

第1回:地球温暖化の科学の報告書 IPCC 第6次評価報告書の統合報告書発表を前に ~必要な温室効果ガス削減量の評価に向けて~ (2023年3月9日開催)

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)」の総会が、3月13日から17日に開催され、第6次評価報告書の統合報告書が3月20日に発表される見込みです。IPCCとは、地球温暖化に関して世界中の専門家の科学的知見を集約している国際機関です。およそ5~6年ごとに公表される「評価報告書」は、1990年に発表された第1次評価報告書から数えて6回目の発表になります。IPCCは3つの作業部会に分かれており、第1作業部会は温暖化の科学(自然科学的根拠)、第2は温暖化の影響(影響、適応、脆弱性)、第3は温暖化の対策(気候変動の緩和策)を扱います。それぞれの報告書が2021年から22年にかけて発表されましたが、今回、それら3つをまとめた統合報告書の「政策決定者向けの要約」が発表されます。

統合報告書は3つの作業部会報告書の中でも最も主要な事項が抜き出されるため、私たち人類が今知るべき温暖化の知見がまとまって発表されることに特徴があります。中でも注目されるのは、パリ協定の次の目標2035年に向かって必要となる温室効果ガスの削減量につながる議論です。COPでは2030年の次の削減目標として、2035年の議論が始まります。日本国内でも次のステップは2035年目標の検討です。IPCCの統合報告書は、こうした各国の気候変動対策目標の根拠となる科学的知見を提供します。

IPCC総会に実際に参加される海洋研究開発機構(JAMSTEC)の環境変動予測研究センター長の河宮未知生様とWWFの小西雅子が、IPCC第6次評価報告書の注目点について解説しました。河宮様はIPCCの「気候変動評価のためのデータ支援に関するタスクグループ」のメンバーで、2018年からIPCC総会に参加されているほか、「IPCC WG1 国内幹事会」副代表も務めている方です。

■配布資料

第4回:気候変動に関する国連会議COP27を前に知っておくべきこと:COP27専門詳細編(2022年10月26日)

気候変動に関する国連会議COP27が、エジプトのシャルム・エル・シェイクで、2022年11月6日から18日まで開催されます。パリ協定の母体であるCOP27について、実際にどのようなプロセスでどんな内容が議論されていくのか、実際にCOP27を取材する記者さん向けの詳細編です。COP27会議は、そもそもはパリ協定のルールを議論する場ですが、今は世界の投資家や企業、都市自治体がこぞって国際的な連盟を形成し、具体的な脱炭素化に向けた約束を標榜する場にもなっています。その両方について解説しました。

2021年末のイギリス・グラスゴーCOP26では、パリ協定の長期目標が2度から1.5度に事実上強化され、世界は2050年にカーボンニュートラルを目指すこととなりました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書の発表が相次ぎ、新知見を踏まえてのCOPの議論が注目されます。講師は、COP会議に15年以上にわたって参加しているWWFジャパン小西雅子、山岸尚之です。同じくCOP27に参加する田中健から、非国家アクターの動きについても解説しました。

■配布資料

第3回:気候変動に関する国連会議COP27を前に知っておくべきこと:COP27基礎概要編(2022年10月7日)

気候変動に関する国連会議COP27が、エジプトのシャルム・エル・シェイクで、2022年11月6日から18日まで開催されます。今や脱炭素は世界経済に組み込まれていますが、その世界共通の礎のルールとなるのがパリ協定。パリ協定の母体であるCOP27の注目点について、2回に分けて解説します。2021年末のイギリス・グラスゴーCOP26では、パリ協定の長期目標が2度から1.5度に事実上強化され、世界は2050年にカーボンニュートラルを目指すこととなりました。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書の発表が相次ぎ、世界の投資家や企業、都市自治体はこぞって脱炭素化を標榜するようになっています。一方でロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機やコロナなどで足並みの乱れを指摘する声もあります。その中で開催されるCOP27会議について、IPCCの最新の科学の知見とCOP会議のこれまでの歴史や概要を振り返り、今年のCOP27でどんな点が注目されるのかを、解説しました。まず第一弾として、COP27に向けて今から知っておくべき資料とともに脱炭素へ向けた全体像を、まったく初めての記者さん向けにわかりやすくお話ししました。講師は、COP会議に15年以上にわたって参加しているWWFジャパン小西雅子、山岸尚之です。

■配布資料

速報解説セミナー(IPCC第6次評価報告書第3作業部会報告書 解説):最新の世界の温暖化対策の報告書発表!(2022年4月18日)

パリ協定がめざす1.5度目標を達成するためにはどうすればいいのか、世界中で模索が続いています。2022年4月4日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)の第3作業部会(気候変動の緩和)が第6次評価報告書を発表しました。そこには、1.5度目標を達成するために求められる技術や政策、資金など、多岐にわたる新しい知見がまとめられています。WWFジャパンでは、この報告書の主執筆者3人をお招きし、速報解説セミナーを開催しました。その概要と資料を報告します。

※採録記事はこちら

第2回:IPCC第6次評価報告書第3作業部会報告書の発表を前に注目ポイントまとめ(2022年3月16日)

2022年は温暖化に関する科学的知見のスーパーイヤーです。先般、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の温暖化の“影響”に関する新報告書の発表(2/28)に続き、今度は第3作業部会総会が3月21日から4月1日に開催され、“緩和(対策)”の新報告書が4月4日に発表されます。

2021年末のイギリス・グラスゴーCOP26では、パリ協定の長期目標が2度から1.5度に事実上強化され、世界は2050年にカーボンニュートラルを目指すこととなりました。1.5度を達成するために重要なのは今後10年までの対策で、IPCCは世界全体で2030年までに45%(2010年比)のCO2削減が必要だと示しています。

温暖化対策とはすなわちエネルギー対策が主、果たしてどのような対策が可能なのか、世界中で模索が続いています。その中で待望される今回の第3作業部会の緩和報告書では、1.5度を達成するシナリオをはじめとする様々なシナリオごとにエネルギーや政策など多岐にわたった新知見がまとめられる予定です。

この新報告書の注目される点について国立環境研究所の社会システム領域(脱炭素対策評価研究室)室長の増井利彦氏に解説いただきました。増井様は今回のIPCC新報告書の第4章「短中期の緩和策と発展経路」のリードオーサーの一人で、シナリオ開発の第一人者です。またWWFジャパン小西雅子から国連交渉から見た新報告書のポイントについても説明しました。

■配布資料

第1回:IPCC第6次評価報告書第2作業部会報告書の発表を前に注目ポイントまとめ(2022年2月10日)

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)」の第6次評価報告書の第2作業部会総会が、2月14日から2月25日に開催され、その報告書が2月28日に発表されます。

IPCCとは、地球温暖化に関して世界中の専門家の科学的知見を集約している国際機関で、三つの作業部会に分かれており、第1作業部会は、温暖化の科学(自然科学的根拠)、第2は温暖化の影響(影響、適応、脆弱性)、そして第3は温暖化の対策(気候変動の緩和策)です。今回は第2作業部会の温暖化の影響についての報告書が発表されます。

2021年末のCOP26会議に先立って発表された第6次評価報告書の第1作業部会の報告書では、気温上昇を1.5度に抑える必要性がより強調され、イギリス・グラスゴーCOP26において、パリ協定の長期目標が2度から1.5度に事実上強化されるきっかけとなりました。今回の第2作業部会の影響報告書では、1.5度以上上がった場合の影響や適応について世界の地域ごとにより詳細に発表される予定です。この新報告書の注目される点について国立環境研究所の気候変動適応センターの副センター長、肱岡 靖明氏が解説しました。肱岡様はIPCCの1.5度特別報告書の代表執筆者のお一人で、日本の自治体における適応計画の策定支援も手掛けられる第一人者です。新報告書の発表とともに注目が集まるであろう日本国内の適応の最新情報についてもお話しました。またWWFジャパン小西雅子から国連交渉から見た新報告書のポイントについても説明しました。

■配布資料

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