スクール・パリ協定


気候変動の国際交渉・国内対策のシリーズ勉強会

WWFジャパンでは、複雑化する温暖化の科学や国際交渉について、日本の視点から今もっとも大切だと思われる論点を整理し、ジャーナリストの皆様と意見交換させていただくシリーズ勉強会を、2008年から開催してきました。2015年末のパリ協定採択を受けて、パリ協定の実施に向けての国際交渉と国内対策を取り上げる「スクール・パリ協定」として開催してきたところ、企業や自治体の皆さまにも拡大して、脱炭素に関する国内外の様々な取組を解説する勉強会「スクール・パリ協定プラス」としての開催を増やしていきます。

第2回 COP30基礎編(2025年10月7日)

気候変動に関する国連会議COP30(第30回国連気候変動枠組条約締約国会議)が、ブラジル・ベレンで、2025年11月10日から11月21日まで開催されます。これに先立ち、COP30の注目点について基礎から分かりやすく解説するウェビナーを開催しました。
2025年は気候変動対策の国際約束「パリ協定」が採択されてから、ちょうど10年の節目の年です。世界各地で猛威を振るう酷暑や洪水などの気候危機を前に、各国からパリ協定に基づく2035年に向けた次期削減目標(NDC2)が出そろうCOP30では、世界全体で今後の気温上昇を1.5度に抑える削減水準にどれ程近づくことができるのかが注目されます。
また今回のCOP30は、世界第2位の排出大国アメリカが国際協調に背を向ける中、世界が団結して気候変動に立ち向かうことができるのかが試される重要な会議でもあります。自主性を重んじるパリ協定の実効性の鍵を握るのが機関投資家や企業、都市・自治体といった各国政府以外の「非国家アクター」です。COP会議は非国家アクターの脱炭素化に向けた約束や進捗状況が盛んに議論される場となっており、非国家アクターの役割を理解し動向を把握することが年々重要になってきています。特に今回はアメリカの州政府や企業などの動きが焦眉の的となるでしょう。
  加えて昨年のCOP29で決まった気候資金目標をどのように具体化していくのか、またアマゾンでの開催にこだわった議長国ブラジルの森林保全や食料システムの変革に向けた動きも目が離せません。
脱炭素社会の行く末を方向付けるCOP会議について、WWFジャパン気候・エネルギーグループから長年気候変動交渉に携わってきた小西雅子、非国家アクターの専門家である田中健が、パリ協定の基礎から最新情報、COP30の論点まで分かりやすくお伝えしました。さらに森林保全に関する国際的な動向や開催地ブラジルのアマゾンやセラードの現状をWWFジャパン森林グループの田沼俊剛が解説しました。

第1回 今さら聞けない!排出量取引制度の基本(2025年4月11日)

有効な温暖化政策の一つとして世界で拡大普及している炭素の価格付け「カーボンプライシング」。日本においても、2026年度から本格運用される予定の排出量取引制度(ETS)を含むGX推進法の改正案が2025年2月末に閣議決定されました。対象となる企業にとって、排出量取引制度は脱炭素を後押しする非常に重要な制度です。
本格始動を前に、今さら聞けないカーボンプライシング、中でも排出量取引制度について、基本からおさらいするセミナーを開催しました。欧州や米州などでは20年前から排出量取引制度が発足しており、EU-ETSは4期目を迎えています。中国や韓国でも排出量取引制度は始まっていますが、ASEAN諸国でも発展中・整備中です。ベトナム駐在経験のあるWWF専門家が解説しました。さらに日本で本格始動するGX-ETSについても概要を解説し、先行する世界の排出量取引制度から見た日本企業が気を付けたい内容について解説しました。

これまでの勉強会の概要 および資料

こちらのサイトでは、これまでの勉強会で使用している資料を公開しています。 国際交渉の内容は日に日に更改されていきますので、内容につきましては、常に最新の情報をご確認ください。

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