スクール・パリ協定


気候変動の国際交渉・国内対策のシリーズ勉強会

WWFジャパンでは、複雑化する温暖化の科学や国際交渉について、日本の視点から今もっとも大切だと思われる論点を整理し、ジャーナリストの皆様と意見交換させていただくシリーズ勉強会を、2008年から開催してきました。2015年末のパリ協定採択を受けて、パリ協定の実施に向けての国際交渉と国内対策を取り上げる「スクール・パリ協定」として開催してきたところ、企業や自治体の皆さまにも拡大して、脱炭素に関する国内外の様々な取組を解説する勉強会「スクール・パリ協定プラス」としての開催を増やしていきます。

これまでの勉強会の概要 および資料

こちらのサイトでは、これまでの勉強会で使用している資料を公開しています。 国際交渉の内容は日に日に更改されていきますので、内容につきましては、常に最新の情報をご確認ください。

第5回 気候変動に関する国連会議COP29の注目点 詳細専門編(2024年11月6日)

COP29開幕直前に、COP会議に18年以上にわたって参加しているWWFジャパン小西雅子、山岸尚之、それに非国家アクターの動きに詳しい田中健による、記者限定のスクール・パリ協定を開催しました。当日の資料を公開します。

第4回 気候変動に関する国連会議COP29の注目点 基礎概要編(2024年10月25日)

気候変動に関する国連会議COP29が、アゼルバイジャン・バク―で、2024年11月11日から11月22日まで開催されます。国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)は、そもそもは温暖化の国際協定であるパリ協定のルールについて政府間交渉が行われる場ですが、今は非国家アクターと呼ばれる世界の投資家や企業、都市自治体などの各国政府以外のアクターが国際的な連盟を形成し、具体的な脱炭素化に向けた約束を標ぼうする場にもなっています。めまぐるしく変わる世界の脱炭素の先行きを読み解くには、パリ協定のルール交渉のみならず、非国家アクターによる国際約束を含む最新情報を知ることが非常に重要です。

今年のCOP29は、2025年以降の途上国への資金援助に関する議論がまとまるかが注目される「ファイナンスCOP」です。さらに、一部の国からは、昨年のCOP28で実施された世界全体での気候変動対策の進捗評価「グローバル・ストックテイク」の結果を踏まえた2035年温室効果ガス削減目標(NDC)が早くも発表される可能性もあります。さらに、昨年結論が先延ばしとなった、炭素市場に関するルールを定めたパリ協定6条の議論の行方も注目されています。

こうした議論は、一見すると日本企業からは縁遠い議論のようにも思えますが、実は今後、日本の経済やビジネス環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。COP29について、WWFジャパン小西雅子、山岸尚之、田中健が、今さら聞けないCOPの基礎から最新情報、注目の論点まで分かりやすくお伝えしました。

第3回 再エネ調達力が企業の競争力を左右する! 日本企業の生の声と、農業系再エネのポテンシャルを知ろう!(2024年9月13日)

2023年12月ドバイで開催されたCOP28では、世界全体での気候変動対策の進捗評価の仕組み「グローバル・ストックテイク」が実施され、2030年に向けて再生可能エネルギー設備容量を3倍に拡大すること等が合意されました。現在、政府は、次期エネルギー基本計画と2035年の削減目標(NDC)策定に向けた議論を開始しています。企業においても再エネの調達率を上げることは、グローバルサプライチェーンから外されないための必須条件です。

WWFジャパンでは、日本においても2030年までに再エネ3倍が可能か、そしてIPCCの示す2035年にGHG60%以上の削減が可能かを検証しました。これは、2050年にGHG排出ゼロを実現する道筋を描いた「脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ」をアップデートしたもので、結果として2030年までに再エネ3倍(太陽光2.9倍、風力10倍)が可能であることが示されたのです。

そのカギは太陽光発電と風力発電の飛躍的拡大にあります。近年一部のメガソーラー発電施設によって景観や環境を損なうなど地域社会との軋轢を生むケースや、再エネの適地は日本には少なくなったという言説など否定的な声も聞かれます。しかしファクトを冷静に見ると、国内の再エネのポテンシャルは極めて大きく、太陽光発電で言えば今後は地上型ではなく、屋根置きなどの建物系と農業系、中でも営農型(ソーラーシェアリング)が有望です。

今回のスクールパリ協定プラスでは本格化する再エネ争奪戦の現状と、その解決策の一つとしてのソーラーシェアリングについて、再エネ需要家企業であり日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)共同副代表でもある大和ハウス工業株式会社小山勝弘氏及び、千葉県匝瑳市でソーラーシェアリングを推進する市民エネルギーちば株式会社宮下朝光氏をお招きしながら議論しました。

第2回 グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)にご用心! ~国際動向から日本におけるリスクの現状まで~(2024年4月9日)

世界的に脱炭素の取組が加速する中、日本企業の間でも自社の気候変動対策や環境保全の取組を、顧客や投資家などのステークホルダーに伝えようとする広告がいたるところで見られるようになりました。その一方で、そうした広告や主張が、科学的根拠が欠けている、あるいは誤解を招くような内容になっているといった指摘、つまり「グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)」であると指摘されるケースも出ています。
企業価値を高めるための広報戦略が、逆に企業のレピュテーションリスク(信用リスク)となってしまう恐れのあるグリーンウォッシュ。どうすればリスクを最小化し、自社の取組を正しく効果的に伝えることができるのか、規制化が先行する欧州など国際的な動向や日本における事例について、専門家であるあすなろ法律事務所池田直樹弁護士をお招きしながら、議論しました。

第1回 企業が知っておきたい「気候変動に関する国連会議COP28」報告 ~2024年に向けて役立つCOP28からの示唆~(2024年1月16日)

2023年11月30日から会期を1日延長した12月13日まで開催されたCOP28では、初日に損失と損害基金の運用が合意され、議長国UAE含め各国が次々と資金拠出を表明するなど、極めて異例な幸先のよい幕開けとなりました。
初開催で注目を集めたグローバルストックテイク(GST:世界全体での気候変動対策の進捗確認)は、最後まで交渉が難航しましたが、会期延長の末、採択された文書には、エネルギーシステムにおいて化石燃料から転換(Transitioning away)していくことなどが明記されました。一方で、文書には削減策として非効率的な技術や効果に疑問が残る技術が含まれている点もあり、この成果を各国がどのように次期NDC(2035年の削減目標)に落とし込んでいくかが、今後の焦点となりそうです。
交渉外でも非国家アクターの活発な動きが見られました。

2024年は、日本においてもエネルギー基本計画の改定が予定され、また次期NDCの議論も開始されるべき年です。COP28の歴史的成果は、2030年、2035年までの日本国内の政策の議論のベースとなり得る内容であり、これをしっかりと理解しておくことは日本企業にとっても非常に重要です。COP28の議論の経緯と結果、そして日本への示唆について、現地に赴いたWWFジャパンの小西雅子、山岸尚之、田中健が解説しました。

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