「スクール・コペンハーゲン2009」勉強会の概要 および資料


気候変動新枠組み交渉合意に向けたシリーズ勉強会

WWFジャパンでは2008年8月から、地球温暖化の防止にかかわる一連の国連会議をテーマにしたメディア向けの勉強会を開催してきました。これは、経済、政治、技術論にわたって複雑化する温暖化の国際交渉において、最も重要な論点を整理し、解説するものです。

これまでの勉強会の概要 および資料

こちらのサイトでは、これまでの勉強会で使用している資料を公開しています。 国際交渉の内容は日に日に更改されていきますので、内容につきましては、常に最新の情報をご確認ください。

「スクール・コペンハーゲン2009」勉強会の概要 および資料

2009年度に開講していた、スクールコペンハーゲンの資料は、こちらです。

 

第15回:コペンハーゲン会議(COP15/COPMOP5)報告会 日本のNGOはコペンハーゲンをどう見たか

第15回気候変動枠組条約締約国会議(COP15)、および第5回京都議定書締約国会(COPMOP5)が、2009年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催されました。
コペンハーゲン会議では、求められていた京都議定書の次の国際枠組みを決定するには至らず、課題は今後にゆだねられることになりました。世界の首脳100人以上が参加して、かろうじて出された政治宣言「コペンハーゲン合意」はどのようなものだったのか。また2010年の展望は?
2010年1月21日に開催された、環境NGO主催による報告会では、WWFジャパンを含む各団体が、コペンハーゲン会議の成果について評価しました。

■コペンハーゲン会議(COP15/COPMOP5)報告会資料 (PDF形式)

第14回:12月コペンハーゲン会議では、どんな合意の形と中身が可能か考察

いよいよコペンハーゲン会議が迫ってきました。新議定書の合意見通しについて、困惑が広がっています。そこで、京都議定書のときを振り返りながら、実現可能性のある中で、どんな内容を含んだ合意の形が、法的に可能性があり、一番望ましいのか、国立環境研究所の亀山康子先生にご講義くださいました。
また、コペンハーゲン会議に向けての地ならしとして、期待がかかっていた、バルセロナでの会議について、WWFジャパン気候変動担当の山岸尚之が報告しました。

■配布資料 (PDF形式)

第13回:バンコク会議の報告と再び注目を集める森林減少防止

鳩山新政権の誕生後、初めての国連の気候変動会議が、2009年9月28日から10月9日まで、タイのバンコクにて開催されました。麻生前政権から打って変わり、2020年に1990年比で25%の削減目標を世界に公表した日本が、国連の国際交渉においてどのように受け止められたのか。また、迫るコペンハーゲン会議を前に先進国と途上国の対立に糸口が見えてきているのか。バンコクで現場を見てきたWWFジャパン気候変動担当の小西雅子が報告します。
また、日本が25%という削減目標をどのように達成するかが、今後明らかにされる中で、再び注目を集める吸収源、そして大きな削減クレジットを生む可能性がある森林減少防止について、FoEジャパンの江原誠さんに解説いただきます。

■配布資料 (PDF形式)

第12回:9月の気候変動ウィークと、国際交渉における資金メカニズムの重要性について

ついに政権交代が実現し、気候変動対策により積極的な政権が誕生しました。鳩山総理は、就任前のスピーチの中で、すでに2020年に1990年比で25%削減を公表し、世界の目がにわかに日本に集まっています。その中で、年末のコペンハーゲンに向けて、先進国が野心的な中期目標を持つことと同時に、途上国の適応と緩和をサポートする「資金メカニズム」の構築が、非常に重要な課題となっています。
9月17日、18日にはワシントンにてMEF(主要経済国フォーラム),22日には国連の気候変動サミット、そして24日~25日には、ピッツバーグG20で、各国の首脳と財務大臣レベルで、気候変動の国際交渉における資金メカニズムが話し合われる予定になっています。
コペンハーゲンの成功の鍵を握る重要な会合の連続となる、この「気候変動ウィーク」のポイントと、「コペンハーゲン合意に向けた資金メカニズムの重要性」について、WWFジャパンの小西雅子と、気候ネットワークの平田仁子さんが解説します。

■配布資料 (PDF形式)

第11回:ボン3会合報告&コペンハーゲンに向けた今後の展望について

8月10~14日にドイツ・ボンにおいて今年3回目となる国連気候変動会議が開催されました。ボン会合に参加したWWFジャパンの山岸尚之より、ボン会議のAWGKPの報告、そして龍谷大学の高村ゆかり先生に、AWGLCAの報告をしていただきました。
新議定書の案となるべき文書は、各国の提案を取り入れた結果、200ページという膨大な量に膨れ上がりました。今年は、年末のコペンハーゲン会議までに、4回目となる9月末から10月のバンコック会議と、5回目となる11月のバルセロナ会議が予定されています。この2つの会議を経て、12月のコペンハーゲン会議にどのように至るのか、新議定書の中身や形の可能性について、高村先生とともに今後の展開について整理していきます。

■配布資料 (PDF形式)

第10回:出揃ってきた先進各国の中期目標と日本の中期目標について

主な先進各国が2020年の中期目標を発表し終え、いよいよ先進国全体の目標が見えてきました。日本が6月10日に発表した中期目標は、基準年を1990年から2005年に移し、京都議定書の目標から2%上乗せした目標(1990年8%=2005年比15%)でした。今出揃った先進各国の中期目標を足し合わせると、約10%前後となります。
一方、2020年に必要となる先進国全体の目標は、25%から40%と言われています。先進国が全体としてこの範囲内の削減目標を持たない限り、途上国が削減行動を約束するのは非常に難しくなります。
2009年末にコペンハーゲン合意の中核となる先進各国の数値目標について、何が先進各国間の公平な分担なのか、また世界の中期目標に関する研究はどうなっているのか、日本の中期目標設定のために科学的にアドバイスする委員会の中枢、国立環境研究所の西岡秀三先生をお招きして、解説していただきました。

■配布資料 (PDF形式)

第9回:6月ボンSB会合における論点について

2009年度は、年末のコペンハーゲン会議までに、あと4回の気候変動に関する国連会合が開催されることになっています。6月1日から12日までにドイツ・ボンにて、気候変動枠組条約及び京都議定書の補助機関会合(SB)と、AWGKP8とAWGLCA6が同時開催されます。
いよいよ次の枠組みの法的文書の下書きの姿が見えてこなければならないボン会合に向けて、日本をはじめとする各国は、新枠組みへ向けた提案文書を出しています。また先進国の全体の目標と、先進各国の具体的な削減目標を話し合うことになっています。
コペンハーゲンに向けて、一つの大きな節目となるボン会合の論点を整理して解説します。

■配布資料 (PDF形式)

第8回:先進国の比較可能性について

アメリカが本格的に国際交渉へ復帰した今、先進国間の削減目標の厳しさをどのように同等に設定するかは交渉の焦点となってきます。
日本政府は、限界削減費用などコスト面からだけの比較可能性を追求していますが、国際交渉の現場では、一人当たりの排出量、歴史的な排出量、一人当たりGDP、炭素集約度、エネルギー効率性など様々な指標を使った手法が議論されています。
さまざまな比較可能性の手法の整理と、モデルを使っての各国分担の結果などについて、東北大学の明日香壽川先生が解説してくださいました。

■配布資料 (PDF形式)

第7回:ボンAWG会議における論点について

気候変動に関する国連の特別作業部会(AWG)が、2009年3月29日から4月8日まで、ドイツ・ボンで開催されました。
この会議は、先進国の削減目標と新たな枠組みが決定する2009年末のコペンハーゲン会議に向けた本格的な交渉の重要な第一歩となります。アメリカが新政権になってから、初めて正式に国連気候変動会議に参加する会合であること、日本はどうのぞむのかなど、各国の提案がいよいよ明確になってきます。
第7回はこのボン会議の内容と注目すべき論点について整理しました。(2009年3月開催)

■配布資料 (PDF形式)

第6回:吸収源と森林減少防止についての今までの国際交渉の流れと現状

日本の京都議定書の削減目標は、6%ですが、そのうち3.8%分を吸収源でまかなうことになっているので、実質的な削減目標は2.2%です。
これはすべての国に適用されるルールではなく、京都議定書のルール設定時の最後になって、日本とロシアだけに許されたものです。なぜそうなったのか。そして次期枠組交渉ではどうなるのかについて整理します。
世界の温室効果ガス排出量の2割は、森林減少によるといわれ、次期枠組みにおいては、この森林減少防止の仕組みが不可欠です。森林減少防止についてどのような国際交渉が行われているのか、FoEジャパンの江原誠さんにお話しいただきました。(2009年2月開催)

■配布資料 (PDF形式)

第5回:京都議定書/条約の改定?それとも新議定書?法的問題について

2009年末に合意に達する予定の次期枠組み交渉では、2009年6月までにその交渉テキストができあがるかどうかが一つの大きな試金石です。なぜなら、京都議定書の改定を行う場合には、6カ月前までに交渉テキストが各締約国に配布されることが定められているからです。
しかし、新議定書となる場合は、この条件はなくなります。次期枠組みが、京都議定書の改定となるのか、気候変動枠組み条約の改定か、それとも新たな議定書となるのかによって必要な法的手続きが異なるため、ここで、ケース別に法的整理を行ない、コペンハーゲンに向けて加熱する国際交渉の中で"6月"の重要性を考えます。
第5回は、国際法の大家、龍谷大学教授・高村ゆかり先生をお迎えし、法的な違いを教えていただきました。(2009年1月開催)

■配布資料(PDF形式)

第4回:次期枠組における大規模資金メカニズム提案のまとめと分析

2008年末のポーランド・ポズナニで開催された第14回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP14)および京都議定書第4回締約国会議において、議論の進展が期待される論点の一つが、次期枠組みにおいて必要となる莫大な緩和と適応のための資金をどうやって集めて動かすかという「資金メカニズム」です。
資金メカニズムについては、国際炭素税構想から、船舶、航空に課金するもの、オークション方式など、様々な提案がすでに机上に上がっています。
第4回は、この「資金メカニズム」提案について解説しました。(2008年11月開催)

■配布資料(PDF形式)

第3回:次期枠組における途上国削減行動について

気候変動に関する国際会議において、最も重要な議論の一つが、インドや中国などの急速に発展している途上国に、どのような削減行動を課すことができるかです。
8月のアクラ会議では、はじめて国連の国際交渉の場で、途上国の削減行動に関する提案が出され、日本政府も9月に、国連(AWGLCA)に差異化と拘束力のある目標設定を提案しました。
第3回は、途上国にどのような削減行動が求められているかを整理し、その根拠となる理論とともに解説しました。(2008年10月開催)

■配布資料(PDF形式)

第2回:排出量取引制度の「試行的実施」に当たってのポイント

2008年10月から開始される予定の日本版国内排出量取引制度の試行的実施を前に、試行的実施の設計が発表されました。
具体的な制度実験へと踏み出すことは、一歩前進ではありますが、この試行的実施の準備期間は極めて短く、参加形態も企業の自主性に任せられている点から、本当に日本に適した排出量取引制度へ向けての適切な知見を積み重ねられる場になるかどうかが危惧されます。
第2回は排出量取引制度の試行的実施について解説しました。(2008年9月開催)

■配布資料(PDF形式)

第1回:アクラ会議に向けて

2008年8月21日から28日まで、気候変動に関する国連の特別作業部会(AWG(アドホック・ワーキング・グループ:特別作業部会)が、ガーナ・アクラで開催されました。
第1回「スクール・コペンハーゲン」では、これまでの国際交渉を振り返るとともに、このアクラでの国際交渉が、国連の気候変動会議の中でどのような位置を占めるのかについて考えました。
第1回は、この会議において合意することになっていたにおける削減達成のための手段など「京都議定書AWG(アドホック・ワーキング・グループ:特別作業部会)」についてと、「セクター別アプローチ」の内容と論点についても整理しました。(2008年8月開催)

■配布資料 (PDF形式)

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