© Richard Barrett / WWF-UK

ジャガー?ピューマ?この足跡の主は!?


東京の都内でも、まとまった広さの雑木林や造園農家などがある場所には、今もタヌキやモグラなどの野生動物がすんでいたりします。

土があれば、動物たちが名刺代わりに残していった痕跡が見られることも。

特に足跡は、そこに何がいるのかを調べるうえで重要な手掛かりになります。

© Nicole Franco / WWF-US

そんな足跡がたくさん出てくる、WWFブラジルが作ったガイドブックを手に入れました。

これは、フィールド調査で確認した野生動物を識別したり、森の中や周辺で暮らす住民の方々に自然保護への理解を深めてもらうためのもの。

ブラジル大西洋沿岸林の南東部でみられる、30種あまり野生動物の写真と、その足跡、特徴などを収録しています。

ガイドブックには、ジャガー以外にも、ピューマ、カピバラ、ペッカリー、アルマジロにアリクイと、ザ・南米!の動物たちが登場します。

ガイドブックには、ジャガー以外にも、ピューマ、カピバラ、ペッカリー、アルマジロにアリクイと、ザ・南米!の動物たちが登場します。

こうした資料が重要な理由は、野生動物の保全には、正しい理解が欠かせないためです。

ジャガーは今も、すみかの森の近くで、ウシなどの家畜を襲うことがあります。

ところが、野犬の群れに家畜が襲われた場合でも、被害にあった住民が「ジャガーのせいだ」と、思い込む例があるのだそうです。

少し調べれば(それこそ現場の足跡が分かれば)、ジャガーが犯人ではなかったことに気づけるかもしれない。

それなら、不必要にジャガーを恐れたり、恨んだりすることもなくなり、すみかの森を守る取り組みへの理解も広がります。

共存に向けた一歩として、正しく自然を理解する。

その一歩として、こうしたガイドブックなども活用しながら、地道な取り組みを続けるブラジルの仲間たちを、日本からも支援していきたいと思います。

【寄付のお願い】ジャガーの未来のために|野生動物アドプト制度 ジャガー・スポンサーズ

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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