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美食の国ペルー セビーチェよ永遠なれ


「セビーチェ(Ceviche)」という料理をご存じでしょうか。

南米のペルーを代表するシーフードのマリネです。

先日ペルーを訪れ、本場のセビーチェを食べることができました。

シーフードとレモンをはじめとした調味料が融合し生み出される風味は、えも言われぬ美味しさ! 

豊かな海を前にしたペルーだけあって、地域やお店によってさまざまな魚を使ったセビーチェがありました。

特に初めて食べたサバのセビーチェには心を揺さぶられました。

サバのセビーチェ
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サバのセビーチェ

これを食べたのはペルー北部にあるパイタという場所で、小規模零細の漁業者が水揚げを行なう重要な漁港があります。

この日も漁港では、アメリカオオアカイカと呼ばれるイカの水揚げ作業がひっきりなしに行なわれていました。

水揚げされたアメリカオオアカイカ。胴長が1メートル以上にもなる大型のイカです。日本でも、シーフードミックスや冷凍イカ、惣菜加工品など身近なところで使われています。
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水揚げされたアメリカオオアカイカ。胴長が1メートル以上にもなる大型のイカです。日本でも、シーフードミックスや冷凍イカ、惣菜加工品など身近なところで使われています。

ペルー北部のパイタの街並み(手前)と漁港に集まる多数のアメリカオオアカイカ漁船(奥)
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ペルー北部のパイタの街並み(手前)と漁港に集まる多数のアメリカオオアカイカ漁船(奥)

WWFペルーでは、このイカをはじめ、いつ、どこで、だれが漁獲し、どのように流通しているかを明らかにし、トレーサビリティ(遡及可能性)を確保する取り組みを行なっています。

そのために「トラスアップ(TrazApp)」と呼ばれるスマートフォンアプリを開発し、漁村での講習会や漁業者へのサポートを通じて導入を進めています。

漁業者や流通に関わる関係者は、「トラスアップ(TrazApp)」を通じて漁獲や流通のデータをリアルタイムで簡単に登録・管理することができます。
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漁業者や流通に関わる関係者は、「トラスアップ(TrazApp)」を通じて漁獲や流通のデータをリアルタイムで簡単に登録・管理することができます。

私も先日の訪問の際に、ペルー北部にあるサンホセ漁村での講習会に参加してきました。

漁村の集会所のような場所で行なわれた講習会は、始まる頃には用意したイスがほぼいっぱいに。

しかしその後も人は増え続け、会場に入りきらず、なんと窓からのぞく方も出るという事態に!

最終的には100名近くの漁業者の方々が集まり、大盛況となりました。

参加者の数もさることながら、トラスアップを使うことでのメリットや、イカ漁業のサステナビリティに関する懸念など漁業者の方々から質問が多数でました。
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参加者の数もさることながら、トラスアップを使うことでのメリットや、イカ漁業のサステナビリティに関する懸念など漁業者の方々から質問が多数でました。

トレーサブルでサステナブルなシーフードは、漁業者の方々の生計はもちろん、美食の国ペルーの海の豊かさを象徴するセビーチェを守ることにもつながります。

漁業者の方々の関心の高さや熱い想いを肌で感じ、WWFペルーの仲間とともに、より一層この取り組みを進めていかなければと思いました。(海洋水産グループ 吉田)

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自然保護室(海洋水産)
吉田 誠

チリ、インドネシア、中国のフィールドプロジェクトを担当。

田舎生まれの田舎育ち。こどもの頃から自然の中で遊ぶことが好きで、自然を守る仕事がしたいと思っていたところ、WWFと出逢いました。海の環境、海の生きものを守るため、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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