【動画あり】南米チリ・海洋保護区の現場から
2025/01/30
私たちWWFが、南米チリの海で取り組んでいる、チリ南部パタゴニア地域の豊かな海を守る活動。
その現場のひとつで、海洋保護区の管理に関する取り組みが行なわれている「ピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区」で撮影された動画が、現地のスタッフから届きました!
チリイルカと海の未来を考える ~チリ・ピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区より
動画では、生物多様性や野生生物の生息地の保全、水産資源のサステナブル(持続可能)な管理にとって、海洋保護区を設置することが非常に役立つことを説明しています。
また、チリの海を象徴する野生生物の保全の必要性にも触れており、特に固有種のチリイルカは、海の環境や生態系の豊かさを知るうえでも、守るべき重要な種(しゅ)のひとつです。
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チリイルカ(Cephalorhynchus eutropia)。別名ハラジロイルカともいいます。丸みを帯びた背びれが特徴で、体長は1.7メートル程です。世界でチリの沿岸域にのみ生息する固有種で、南部のパタゴニア地域の豊かな生態系を象徴する種のひとつです。
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マゼランペンギン(Spheniscus magellanicus)。体長70センチメートル程で、胸と首のあたりに二本の黒い帯があることが特徴です。チリを含む南米大陸南部の沿岸で繁殖しています。
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オタリア(Otaria byronia)。オスは大きさが2.1~2.6メートルで体重が300~350kg、メスは大きさが1.5~2.0メートルで体重が170kg程にまで成長します。
しかし、保護区が設置されたからといって、それだけで海の環境や生息する野生生物が保全できるわけではありません。
動画でも指摘されていますが、保護区内での違法漁業や持続可能ではない生産活動など、脅威がなくなるわけではないからです。
そのため設置後に、地域コミュニティをはじめとした関係者が協働で、保護区管理の計画やそのための体制をつくっていくことが欠かせません。
このピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区では、日本のWWFサポーターの皆さまからの10年にわたる長年のご支援があったからこそ、多様な関係者の協働による管理を実現することができました。
これは、チリ全体の保護区管理にとっても重要な意味を持つ成果です。
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ピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区の周辺の地域コミュニティ「ラウル・マリン・バルマセーダ(Raúl Marín Balmaceda)」の方々と保護区の管理計画の策定に関わった関係者
今後も私たちは、こうした関係者の協働による優良管理が行なわれる保護区の拡大や、さらなる管理の強化に向けて取り組みを続けていきます。
WWFチリの仲間とともに、生物多様性の豊かなチリの海を守るための活動を、より一層前に進めていきたいと思いますので、引き続き応援いただければ幸いです。(海洋水産グループ 吉田)
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WWFチリで海を守る活動に関わるメンバー。右から、クリスティーナ、ジャケリーン、バスティアン。