世界野生生物の日にワシントン条約を考える
2022/03/03
CITES(サイテス)とも呼ばれるワシントン条約は、1973年3月3日に米国ワシントンで採択されました。それを記念し、国連は、毎年3月3日を世界野生生物の日(World Wildlife Day)に指定しました。
ワシントン条約は、取引の規制を通じて野生生物を種の絶滅から守ることと伴に、その持続可能な利用を理念に据えています。
そう、野生の動植物が消えてしまうことのないように、そして私たちが自然の恵みをずっと享受できるように、そんな願いが込められた国際的なルールなのです。
ワシントン条約には、現在184の国や地域が加盟しています。これら締約国が一堂に会する19回目の締約国会議(CoP19)が今年11月14日~25日に南米パナマで開催されます。
COP19に向け、条約事務局や締約国で着々と準備が進められています。締約国の各地域代表からなる執行機関・常設委員会は、今月フランスで開催されます。議題には、CoP19の準備の他、人獣共通感染症予防に条約が果たす役割、各国の法執行状況や取引情報の報告などが挙げられています。
条約で商業取引が禁止されたり、制限されたりするのは、附属書に掲載されている種に対してのみです。ですから、COPでは、附属書の改正に最も注目が集まります。この改正の提案は、締約国のみが行うことができ、提出期限はCoP19開幕150日前の6月17日です。私たちに関係深い種に関する提案もきっとなされるはずです。
CITES CoP開催年の今年の世界野生生物の日には、ぜひ野生の動植物を守るためのワシントン条約というルールの意味について考えてみてください(野生生物グループ・若尾)。