【緊急支援】ミャンマー地震被害対応の活動にご支援をお願いします
2025/04/23
- この記事のポイント
- 2025年3月にミャンマーで発生した大地震により、深刻な被害を受けている保護活動の現場と、その地域のコミュニティを支援するため、WWFジャパンでは現在、日本で緊急支援へのご協力を呼びかけています。ミャンマーでの希少な野生動物の保護と、人と自然の共存に向けた活動を、一日も早く再開するため、ぜひ皆さまのご協力をお願いいたします。
ミャンマーの震災により、自然保護活動も大きな打撃を受けています
2025年3月28日、ミャンマー中部マンダレー付近を震源地とする、マグニチュード7.7の大地震が発生し、地域の暮らしと人命に、甚大な被害をもたらしました。
報道によれば、4月6日の時点で、4,000人以上が犠牲になり、6,500人以上が負傷、さらに多くの行方不明者がいるとされています。
WWFミャンマーが保全に協力して取り組んでいる、マンダレーを中心としたエーヤワディー川流域での絶滅危惧種イラワジイルカ(Orcaella brevirostris)の保護活動や、淡水生態系の保全を行なっているインレー湖の現場でも深刻な被害が発生。
パートナーである現地のイルカ保護活動家や漁業者たちも、住居や仕事、衣類などの生活必需品を失いました。

エーヤワディー川を泳ぐイラワジイルカ。マンダレー周辺では、震災によって川岸の各所で崩落が起きています。
被災者の救済と環境の保全を両立するために
ミャンマーでは近年、政情の不安や台風などによる自然災害により、何百万人もの人々が家を追われ、経済や資源も逼迫。各地で緊張が高まる中、さらに今回の地震が大きな被害をもたらすことになりました。
各国による支援も行なわれていますが、仮設住宅のための森林伐採、プラスチック廃棄物の増加などが、新たな環境問題につながったり、さらなる被害の悪化を招く事態も懸念されます。
森林伐採や無計画な土地の利用・管理は、地滑りや洪水、異常気象の被害を大きくし、貧困をさらに深刻化させる、悪循環を生み出してしまうためです。

被災した市街とインレー湖周辺の様子。交通網も各地で被害を受けています。
また、災害や政情不安が原因で、これまで継続され、成果を挙げてきた、希少な野生生物の保全をはじめとする、さまざまな活動やその成果が、無に帰してしまうケースも少なくありません。
WWFミャンマーでは今、人々と環境の両方を守る、持続可能な救援活動を展開することで、従来の取り組みを回復・促進し、災害へのレジリエンス(対応・回復する力)を強化することを目指しています。
被災されたミャンマーの人々を支えるため、そして一日も早い保全活動の再開を実現するために、WWFジャパンも日本からこの取り組みの支援を開始しました。
ぜひ皆さまのご協力をお願いいたします。
ご支援は、地域の緊急支援活動に活用させていただきます
皆さまよりお寄せいただいたご支援は、WWFミャンマーのスタッフたちが、自然保護プロジェクトで協力している、地域コミュニティの緊急支援活動に活用させていただきます。
主な支援地域は、ミャンマー中部に位置する、希少種イラワジイルカの保全活動の現場エーヤワディー川流域、およびインレー湖周辺です。いずれも、WWFミャンマーが保全活動に取り組んできた重要な地域です。
寄付の用途(2025年4月時点で実施・予定しているもの)
- 地域コミュニティへの浄水装置や太陽光発電設備などの提供
- 破壊された村落での家の再建に必要な資材の購入支援
- 漁具や舟を失った漁業者への漁網の購入のための資金の提供
- 地震で浮上し、湖面を覆った貝殻の撤去費用とその作業に従事した住民への報酬
- 湖での貝殻と水質の調査。および地域への聞き取り調査
- 被災現場の人たちがニーズに合わせて自由に使える支援金の提供 など
*なお、お預かりした寄付は、上記の他にも、現場で緊急に必要とされる対策に、柔軟に活用させていただきます。

(上)湖での水質調査と、地震で浮上した貝殻の回収作業。(下)被災した地域への支援金の配布と、家屋の再建に必要な木材の支援。
現地ではすでにこうした取り組みが行なわれており、そのための資金が必要とされています。日本からの支援にも、ぜひご協力をお願いいたします。

ご支援はPayPalによる募金またはYahoo!ネット募金で受け付けております
PayPalによる募金: https://www.wwf.or.jp/members/bokin/
※「PayPalで募金」から「種類」欄を【ミャンマー地震被害対応の活動】に指定してご送金ください。
Yahoo!ネット募金: https://donation.yahoo.co.jp/detail/174014
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【参考情報】ミャンマーの被災地でWWFが取り組んできた活動について
1)希少種イラワジイルカと地域住民の共存に向けた取り組み

東南アジア沿岸の浅い海域を主な生息域とするイラワジイルカ(Orcaella brevirostris)は、カワゴンドウとも呼ばれるイルカの一種で、IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」でEN(絶滅危惧種)に選定されている、希少な野生動物です。
中でも、ボルネオ島のマハカム川や、メコン川の中流域、そしてミャンマーを流れるエーヤワディー川に分布する、海域と切り離された淡水域に孤立する個体群は、特に数が少なく、絶滅が心配されています。
エーヤワディー川では、昔から漁民とイラワジイルカが協力して漁をする、珍しい文化が伝えられてきました。これは、漁民が投網を投げる場所に、イルカが魚を追い込んで人に合図を送り、網で獲られた獲物のおこぼれを食べる、というものです。
今ではこの漁法を使う人は少なくなりましたが、こうした伝統を守ることも、イラワジイルカの保護には欠かせない大事な要素となっています。

しかし、ミャンマーでは、こうした調査や保護活動は、さまざまな困難を強いられてきました。通常、イルカ類の調査は、船や陸地から水面に現れるその姿を、双眼鏡やカメラなどで確認して行ないます。しかし、現在のミャンマーではこうした活動が怪しまれるため、イラワジイルカの調査は中止に。外国から支援のために入っていた機関や国際団体も、この地域から撤退を余儀なくされました。
そこで、WWFミャンマーはマンダレーに拠点を置く地元のイルカ保護団体とも協力しながら、漁業に関係する人たちを支援。イルカ保護と持続可能な漁業に向けた意識向上をはかると共に、7つの村の12名の漁民を中心とした「ドルフィン・ガーディアン」による漁場での目視調査や、イルカの脅威になる原因の報告・共有などを実施。流域の開発や汚染、刺し網に絡まり命を落とす混獲によって、数を減らしてきたイラワジイルカの調査と回復に取り組んできました。
2022年には86頭という最新の個体数データも明らかにしましたが、これは10年前の51頭を大きく上回る数字です。また近年は、記録されるイルカの死亡数も大幅に減少。保護活動に大きな成果が出始めていました。
そうした中で起きた今回の地震は、活動の重要な拠点であったマンダレーの町に大きな被害をもたらし、活動に従事していた多くの関係者も被災。衣類や住居などを失い、漁具や漁船も多く失われました。そのため、イラワジイルカの保護活動も、再開・継続が危ぶまれています。
2)インレー湖における湿地生態系の回復と保全

ミャンマー東部にあるインレー湖は、世界の貴重な湿地を保全する「ラムサール条約」の登録湿地の一つであり、ユネスコの生物圏保護区(エコパーク)にも指定されている、東南アジアでも有数のウェットランドです。
多くの種類の淡水魚や爬虫類、またオオヅルのような絶滅が心配される水鳥をはじめとする鳥類の生息地としても知られています。
インレー湖では周辺地域での開発や過剰な観光利用による土地改変や汚染が、久しく問題になっており、人の暮らしと経済の発展を、環境保全とどう両立させるかが課題とされてきました。
インレー湖の保全については、日本のJICA(国際協力機構)も直接支援を行なってきた、重要なプロジェクト地域のひとつで、WWFミャンマーではJICAのプロジェクトが終了した後、それを引き継ぐ形で2024年から、活動を行なってきました。
特に力を入れているのは、地域住民の理解と参加を得て取り組む、湿地生態系の復元です。これまでに、湖の淡水生物多様性を評価するためのeDNA(環境DNA)調査と、湖の水質調査を実施。
今後は、これらのデータをふまえた淡水の生物多様性の保全と、流域全体を視野に入れた取り組みを促進する仕組み「ウォーター・スチュワードシップ」による、水質改善、土壌浸食と土砂堆積を防ぐための流域管理の実施を計画・予定していました。

しかし、2025年3月の大地震により、インレー湖周辺も被災。WWFミャンマーがプロジェクトパートナーとして協力していた、現地の漁民の暮らしにも大きな被害が及びました。
また、地震によって湖底に堆積してきた巻貝(Taia naticoides)の貝殻が湖面に浮上し、場所によっては10cmもの厚さで水面を覆い尽くす事態も発生しました。これによって、現地の漁業はもちろん、水中に届く太陽光が遮られたり、水への酸素の浸透が阻まれるなど、湖の生態系にも深刻な影響が及ぶ可能性が懸念され、撤去の必要が生じています。

ミャンマーの被災地支援を通じた環境保全活動の継続に向けて

WWFミャンマーが取り組んできた活動はいずれも、地域の関係者との密接な協力と信頼、そして安定した暮らしに支えられているものです。
そして、今回の地震は、その根幹をゆるがし、現地の人々の暮らしと、貴重な自然や野生動物を守る継続的な取り組みを、危機に追い込もうとしています。
WWFミャンマーのスタッフは、交通網が寸断される中、11時間かけてインレー湖の現場へ乗り込み、現地が必要とする支援の聞き取りを行なうと共に、湖の状況と水質の調査を実施。
私たちWWFジャパンやアメリカ、イギリス、ドイツなど、各国のWWF事務局は協力して、こうした現地の活動のサポートに取り組んでいます。
一日も早い被災地の復興と、保全活動の再開を実現するために、皆さまにはぜひ、この支援の輪に加わっていただきたいと思います。
ご協力をどうか、よろしくお願いいたします。
WWFジャパン事務局長 東梅貞義
ご支援はPayPalによる募金またはYahoo!ネット募金で受け付けております
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