© Olli Immonen / WWF

ペット関連企業で「野生動物のペット利用問題」の講義を実施!


サルやフクロウ、
そして大きなトカゲまで…
近年、さまざまな野生動物が「ペット」としてメディアで紹介され、ペットショップでも販売されています。

しかし、こうした野生動物をペット目的で利用することは、
乱獲などによる種の絶滅のおそれを高めたり、密輸・密猟などの違法行為誘引する可能性が指摘されています。

さらに、本来その地域に生息していなかった動物が逃走や遺棄により野外に定着することで外来生物となったり、動物由来感染症への感染や、動物福祉を維持できないリスクを高めます。

日本のペット市場でも人気の高いコバルトツリーモニター(Varanus macraei)。野生捕獲個体が多く販売されていますが、IUCNのレッドリストで絶滅危惧種に指定されている動物です。

日本のペット市場でも人気の高いコバルトツリーモニター(Varanus macraei)。野生捕獲個体が多く販売されていますが、IUCNのレッドリストで絶滅危惧種に指定されている動物です。

では、野生動物のペット利用を取り巻く課題を解決するために
どうしたらよいのでしょうか?

その解決には、消費者の行動や社会の仕組みが変わるだけでなく、実際に「ペット」と関わるビジネスを行なう企業が持続可能な利用に向けアクションを起こすことが欠かせません。

ペット産業には直接生体を扱う企業だけではなく、販売場所の提供や獣医療、フード・用品などを通し間接的に関わる企業も含まれます。

ペット産業には直接生体を扱う企業だけではなく、販売場所の提供や獣医療、フード・用品などを通し間接的に関わる企業も含まれます。

このため、ペット関連企業で理解を深め、アクションにつなげてもらおうと、2024年1月にペット保険を提供するアニコム損害保険株式会社で講義を行ないました。

野生動物のペット利用の現状や課題、企業責任についてお話しし、オンラインも含め約40名の社員の方々に参加いただきました。

レクチャーを行なっている様子。長丁場にもかかわらず、時折メモをとりながら熱心に聴講いただきました。

レクチャーを行なっている様子。長丁場にもかかわらず、時折メモをとりながら熱心に聴講いただきました。

講義後には、多くの質問と共に今後の事業や取り組みに活かしていきたいという声も聞かれ、手ごたえを感じました。

今後も、動物に関わるさまざまな立場の方々と対話し、協力しながら、野生動物のペット利用の問題に取り組んでいきたいと思います(野生生物グループ・岡元)。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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