【動画あり】3歩進んで2歩下がる悔しさ スマトラ島のトラ保護の現場より
2018/10/11
日本のみなさんこんにちは!
WWFインドネシアのサミーです。
今日は嬉しいお知らせと、悲しいニュースがあります。
まずは嬉しいほうから!
先日、森に設置した自動撮影カメラで、非常に貴重な映像が撮れました。
2015年にスマトラ島中部の森で確認されていたメスのスマトラトラ「リマ」の仔トラ3頭が、無事大きく成長していることがわかったのです。
その後「リマ」はオスの「ウマ」に出会い、新しく4頭の仔トラを育てていることも確認できました。
【動画】リマと仔トラたち(Tiger Family in Sumatra Over the Years)
スマトラトラの個体数は推定でわずか300頭以下。
その中で、リマの家族が増えたと分かったときの喜びもひとしおでした。
ですが、悲しいニュースもありました。
先日2頭の仔トラを妊娠していたメスが、イノシシ用の罠にからまり死亡しているのが発見されたのです。
トラがすめる森は非常に限られているため、このような問題が起きてしまうのです。
根本的な問題は、やはり熱帯林の減少です。
スマトラ島では、アブラヤシ農園の造成や、紙生産のための植林地開発により、トラの生息地が年々減少してきました。
結果として、人の居住地や農園・植林地にトラが出没したり、罠にかかる事故が起きてしまうのです。
紙にせよ、パーム油にせよ、動物の生息地などの貴重な森を切り拓かず、持続可能な生産がなされるように、私たちも現場で活動しています。
そして、それらを輸入して使っている、日本をはじめ消費国の皆さんにも、製品を買う時に「森を守ってつくられているか」を気にしていただけたら嬉しいです。
FSC®マークはトイレットペーパーやティッシュ、コピー用紙などの紙製品に、RSPOマークは石けんやシャンプー、洗剤など持続可能なパーム油を使った製品に付けられています。日本でも販売されていますので、もし見つからないときは、メーカーにリクエストしてください。
インドネシアをはじめ、世界の森をめぐる問題は、生産国と消費国、双方からの取り組みがあれば、必ず解決できる問題だと信じています。(編訳:森林担当 伊藤)