アメリカにおけるジャガー違法取引事件!
2023/10/26
かつての生息地の約半分が失われ、現在も個体数の減少が続く、ジャガー。
個体数回復に向け国際的な保全活動も行なわれる中、悲しいニュースが飛び込んできました。
アメリカで、ジャガーの幼獣を違法に取引しようとしたとして、テキサス在住の夫婦が逮捕されたのです。
調べからこの二人は同じネコ科動物であるマーゲイの幼獣も前月に違法に販売し、7500ドルを得ていたことが判明しています。
報道によると、被疑者はエキゾチックアニマルの購入、販売、取引や輸送を行なうことができるライセンスを保有しておらず、5年以下の懲役(連邦刑務所)および約20,000 USドル(約300万円)以下の罰金が課されます。
ジャガーはアメリカの「Endangered Species Act(種の保存法)」において絶滅危惧種に指定される保護対象動物。
さらに、本事件は昨年12月にアメリカで成立した、トラやジャガー、ヒョウといった大型ネコ科動物の輸入や販売、保有を禁じる「The Big Cat Public Act(大型ネコ科動物に係る公衆安全法)」に違反し、逮捕される初のケースとなりました。
今回の事件ではジャガーやマーゲイの幼獣をどのように入手したのか、また取引先がどのような目的のために購入しようとしたのか報道では明かされていませんが、いずれも生きた幼獣であったことから「ペット」目的の違法取引である可能性があります。
こうしたペット目的の違法な取引は、開発などによる生息環境の破壊や、家畜を襲う害獣としての駆除などによって、数を減らしているジャガーを、さらに追い詰める大きな要因になりかねません。
今、生息環境を保全し、人とジャガーの共存を実現するブラジルでの試みに加え、こうした野生動物の違法取引の問題にも、引き続き取り組んでいきたいと思います。
(野生生物グループ・岡元)