川のジャガー!?迫力満点オオカワウソ
2023/05/16
南米・アマゾンを流れる大きな川。
ここに、別名「川のジャガー」と呼ばれるカワウソがいるのをご存知でしょうか?
カワウソ、と聞くとよく動物園や水族館で見かけるコツメカワウソを連想する方も多いかもしれませんが、実は世界中には13種ものカワウソが生息しています。
その中で最も大きいのが、南米に生息し、体長が1.8mほどにもなる「オオカワウソ」。
ブラジルでは原住民の言葉にちなみアリラーニャ(Ariranha)と呼ばれ、これが「川のジャガー」を意味することからも、南米の川の覇者として大きな存在感を放ってきたことが伺い知れます。
さて、そんなオオカワウソは、陸地の生態系で頂点に立つジャガー同様、水中生態系における最上位の捕食者として、重要な役割を果たしています。
主に捕食する魚の他、エビやカエル、小型のワニやヘビなど様々な生き物を食べ、これらが増えすぎるのを防ぐことで、生態系バランスを適切に保っているのです。
私が実際にブラジル・アマゾンの保全現場を訪れた際には、川をボートで移動中、突然「あそこにオオカワウソがいるぞ!」と現地ガイドから声が。
しかし、示す場所は、数キロはあると思われるはるか先、
カメラに直接その姿を納めることは叶いませんでした。
一方、道中で川辺に点在するオオカワウソのねぐらをいくつも確認し、アマゾンの森に、この「川のジャガー」たちがしっかりと息づいていることを感じました。
しかしながら、オオカワウソを取り巻く状況は決して楽観視できるものではありません。
本種はIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでEN(絶滅危惧種)に指定されており、その個体数は現在も減少傾向にあります。
中でも特に脅威を与えているのが、人為的な開発や伐採による生息環境の破壊です。
現在、WWFジャパンが支援しているブラジル・アマゾンにおけるジャガーの保全活動は、こうしたオオカワウソの住みかを守ることにもつながります。
今月の5月31日は「世界カワウソの日(World Otter Day)」。カワウソたちが注目される、こうした機会も活かしながら、これからも、現地と連携した南米の生きものたちの未来のため活動に励みたいと思います!
(野生生物グループ・岡元)