STOP!アマゾンの森林破壊:ブラジル政府の新たな取組
2023/07/13
多様な動植物を育む、世界最大の熱帯雨林-アマゾン。
この貴重な森を守るため、アマゾンの6割を有するブラジル政府から、2030年までに森林破壊や伐採をなくす計画が発表されました。
具体的には、人工衛星画像などを用いて違法な森林伐採や販売といった犯罪行為を監視し、土地所有権の管理や登記簿を通して、その土地が適切に使用されているのか把握する、というものです。
さらに、計画の中で、先住民族の居住地域での違法採掘や密猟/密漁を減らすことで、彼らの土地を守ることも目標に掲げられました。
また、これらの実現のため、新法の制定や新たな保全ミッション立案などさまざまなアクションが実施されることも伝えられました。
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アマゾンでは、開発のための火入れを発端とした大規模な森林火災も近年多数発生しています。
アマゾンには多くの木が生え、木が二酸化炭素を吸収して酸素を放出する仕組みから、「地球の肺」とも呼ばれています。
このため、このアマゾンの森を守ることには、地球全体にとっても大きな意味があります。
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ブラジル・アマゾンの熱帯雨林と、周辺の新興農業開発地域における森林伐採の94%は違法であることが報告されています。
その雄大なアマゾンは多くの希少な動植物のすみかとなっており、なんと地球上で知られている種の1割はアマゾンに生息。その数は実に植物40,000種、淡水魚3,000種、爬虫類370種にのぼります。
ジャガーをはじめ、絶滅危機種のオウギワシやアマゾンカワイルカのほか、ナマケモノやクロクモザル、ヤドクガエルなども生息しています。
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ジャガーの全個体の2/3がアマゾンで暮らしています。
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中南米でのみ見られるオウギワシ。IUCNレッドリストでVU(危急種)に指定され、その個体数は減少傾向にあります。
多くの生きものたちが息づくアマゾンの自然を守る、ブラジルの新たな政策。
その展開に注目しながら、私たちもアマゾンでのジャガー保全プロジェクトを通し、生物多様性の保全に貢献していきます(野生生物グループ・岡元)。