ワシントン条約CoP19の附属書改正提案が公開!
2022/06/27
取引規制によって、絶滅のおそれのある野生生物を守るワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の第19回締約国会議(CoP19)が2022年11月にパナマで開催される予定です。
このワシントン条約は、国と国との輸出入、つまり国際取引を規制することによって、過剰な取引から生きものを守るための国際条約です。
規制対象種は、附属書と呼ばれるリストに掲載され、2、3年に1度、CoPでこのリストの見直しがされているのです。
そして、CoP19で審議される改正提案が2022年6月23日にワシントン条約事務局から公開されました。
ワシントン条約 附属書改正提案(英文)
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長年多くの議論がされてきたアフリカゾウ。CoP19でも附属書の注釈の改正が提案されています。
改正提案は全部で52。提案された生きものも、大型哺乳類から小型の両生類、サメやエイ類、植物までさまざまです。
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パナマを含む15カ国からの共同でメジロザメ科全種(Carcharhinidae spp.)を附属書IIへ掲載する提案が出されています。写真はCarcharhinus perezi
開催国のパナマなど中南米諸国からの提案も目立ちます。
また、アフリカゾウや、日本でもペットとして流通している爬虫類や両生類など、日本に関わりの深い生きものも提案されています。
こうした野生生物を輸入している日本も、消費国として世界の生物多様性に影響を与えているのです。
CoPでは、これら提案を締約国が審議し、採択された場合、90日後から新しい規制が施行されることになります。
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パナマやブラジルなど4カ国からの共同でアメリカヤマガメ属全種(Rhinoclemmys spp.)を附属書IIへ掲載する提案がされています。写真はRhinoclemmys punctularia
またCoPではこの附属書改正以外にも、条約の運営や施行状況に関する議論も行なわれ、これから議題文書が続々とウェブサイトに掲載される予定です。
WWFや野生生物取引を調査・監視するネットワークTRAFFICでは、議題の内容を精査し、それぞれの見解を毎回発表しています。CoP19についても、保全の取り組みが前進するよう、議論に参加し、各国政府への働きかけを行なっていく予定です。