今日は「世界一密猟されている哺乳類」の日
2025/02/15
象牙が狙われるゾウ、毛皮や骨が珍重されるトラなど、絶滅のおそれのある動物の密猟や違法取引が、今も世界各地で横行しています。
では、世界で最も多く密猟されている哺乳類は何でしょう。
正解は、センザンコウ(英語名Pangolin)です。
東南アジアとアフリカに計8種が生息するセンザンコウは、全種がIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種で、国際的に取引が禁止されています。にもかかわらず、TRAFFICの調査によると、2021年には少なくとも23.5トンのセンザンコウやその部位が取引されています。
その大きな硬いうろこや爪、皮や肉が高値で違法取引され、「世界一密猟されている哺乳類」と呼ばれています。
![タイのクイ・ブリ国立公園内で撮影されたセンザンコウ](/image/article/article_images/20250214wildlife01.webp)
タイのクイ・ブリ国立公園内で撮影されたセンザンコウ
今日は「世界センザンコウの日」(毎年2月第3土曜日)。
特にタイは、センザンコウのアジア密売ルートの要となっている国で、WWFジャパンは、2021年からタイ国内の対策を支援してきました。
日本からも参加して現地で開催されたトレーニング・ワークショップでは、実際に野生生物犯罪を摘発した取締官によるレクチャーや、ロール・プレイイングによる捜査の訓練に、参加者が熱心に参加していました。
![2023年6月に3日間にわたりタイ国内ダーン・シンコンで開催されたトレーニング・ワークショップの様子。ロール・プレイイング・プログラムでは、国立公園職員が密売者に扮し、実地でリアルな訓練が行われました。](/image/article/article_images/20250214wildlife02.webp)
![2023年6月に3日間にわたりタイ国内ダーン・シンコンで開催されたトレーニング・ワークショップの様子。ロール・プレイイング・プログラムでは、国立公園職員が密売者に扮し、実地でリアルな訓練が行われました。](/image/article/article_images/20250214wildlife03.webp)
2023年6月に3日間にわたりタイ国内ダーン・シンコンで開催されたトレーニング・ワークショップの様子。ロール・プレイイング・プログラムでは、国立公園職員が密売者に扮し、実地でリアルな訓練が行われました。
WWFは、センザンコウをはじめ密猟による野生生物の絶滅を防ぐために、今後も各国連携して取組みを進めていきます。
(野生生物グループ 小田倫子)