世界ネコの日: やったぞ、イベリアオオヤマネコ !
2024/08/08
今日、8月8日は世界ネコの日。
うれしいニュースをお届けします!
20年前に成獣の個体数がわずか52頭まで減少してしまった、イベリアオオヤマネコ(スペインオオヤマネコ) 。
最新の調査で、推定個体数が2,021頭まで回復したことがわかり、IUCNレッドリストでも絶滅危惧種(EN)から危急種(VU)へ、絶滅のおそれランクが下がりました!
すごいぞ、イベリアオオヤマネコ!

イベリアオオヤマネコ Lynx pardinus は、かつてヨーロッパのイベリア半島に広く分布していましたが、1940年代以降、生息環境の低木林の伐採や、ダム開発、道路交通網の広がりなどを受けて、その数を大幅に減らしました。
しかし、大幅な個体数増加が確認されたとはいえ、絶滅の危機に瀕していることは変わりません。
ロードキル(交通事故死)、違法なハンティング・密猟、主要な獲物であるアナウサギの激減など、イベリアオオヤマネコは、依然多くの脅威にさらされています。

地域によってはイベリアオオヤマネコの獲物の9割を占めるアナウサギ。感染症の流行により、10年間で個体数が70%も激減しました。保全活動においては、アナウサギの個体数回復も極めて重要です。
イベリアオオヤマネコ保全のエキスパートであるWWFスペインのラモン・ペレス・デ・アヤラ は、「分断された生息地を繋げることや密猟撲滅を政府や他のNGOと協力して進めて、イベリアオオヤマネコの総個体数3,000~3,500頭を目指します!」と力強く語っています。
Cachorro de Lince ibérico 2024 - Jorge Sierra
今年撮影された、イベリアオオヤマネコの幼獣。イベリアオオヤマネコの保全活動は、WWFスペインが1969年に発足した当時から開始し、継続してきた、まさにライフワークとも言うべき取り組みです。
一時は絶滅必至ともいわれたイベリアオオヤマネコですが、多くの人々の努力によって、ここまでの回復(まさにネイチャー・ポジティブ!)が実現しました。
私たちWWFジャパンも、現在保全活動に取り組んでいるユキヒョウやジャガーの未来に、こうした明るい兆しがもたらせるよう、頑張っていきたいと思います。
絶滅の淵から這い上がろうとしている、野生の動物たちと、その保全に携わる人々へ、世界ネコの日に熱いエールを送ってください。