猫の日:ヒマラヤのオオヤマネコ
2024/02/22
すっかり定着した感のある2月22日の猫の日。世界中に生息する野生のネコ科動物の中から、寒い季節にぴったりの1種を取り上げます。特徴的な耳の長い房毛と豊かな毛皮を持つオオヤマネコです。
アジアからヨーロッパにかけて、広く分布するオオヤマネコには、地域ごとに多くの亜種が存在します。
オオヤマネコという種(しゅ)としての絶滅のおそれは高くありませんが、亜種レベルでみるとその生息状況は様々です。
ハンティングの対象とされ、その毛皮がアパレル業界で人気の高かったヨーロッパでは、いなくなったり、大幅に数を減らしたりしている地域もあります。
WWFジャパンが活動を支援しているユキヒョウ保全プロジェクトのフィールドである西ヒマラヤ・ラダックには、3種のネコ科動物がいます。
一番大きいのがユキヒョウ、二番目が体長140cmにもなるオオヤマネコで、一番小さいのがマヌルネコです。この地域に生息するオオヤマネコの亜種(Lynx lynx isabellinus)は、トルキスタンオオヤマネコやヒマラヤオオヤマネコなどと呼ばれます。
トルキスタンオオヤマネコは、富士山ほどの標高の場所に生息し、マーモット、ノウサギや若いバーラルなどを狩って食べます。しかし、ヒツジやヤギなどの家畜を襲うこともあり、これが人とのあつれきを引き起こします。
人と野生動物の共存を目標とする西ヒマラヤのプロジェクトは、ユキヒョウだけでなくオオヤマネコと人の衝突を回避するのにも役立ちます。
世界中のネコ好き、野生動物好きのみなさんと一緒に、すべてのネコ科動物が脅威にさらされない世界を目指して、活動を続けます(野生生物グループ 若尾)。