国際フクロウの日に考えたい鳥と人の関係
2024/08/04
今日、8月4日は、International Owl Awareness Day(国際フクロウ啓発の日)。フクロウの現状を知り、保全について考える日です。
フクロウは、フクロウ目というグループに属する鳥の総称で、世界に約240種、日本にも11種が生息しています。多くが夜行性で、そのミステリアスな容貌と生態から、古来信仰の対象になったり、神話や物語に登場したりします。
本日、TRAFFICと海外の専門機関Monitorが2023年に日本国内で実施した「日本におけるフクロウのペット・カフェ展示利用の現状」調査の結果をまとめたファクトシートが完成しました!
ファクトシート「日本におけるフクロウのペット・カフェ展示利用の現状」
日本国内での取引の可否、日本が過去40年間に海外から輸入したフクロウの数や市場調査で確認された種、調査で明らかになった課題とその解決に向けた提案を示しています。
例えば、現在国内で販売されている海外原産のフクロウの多くは、飼育下繁殖個体とされています。しかし、本当に飼育下で繁殖された個体なのか、その親個体が何処から来たのかを確認する術はありません。10年前までは野生捕獲(WC)個体の輸入割合が多かったので、親個体はWCかもしれませんし、近年も日本で密輸事件が発覚しているので、違法取引された個体が紛れ込んでいる可能性もゼロではありません。
食物連鎖の上位に位置するフクロウは、生態系の健全性を示す指標となる野生動物です。気候危機や開発により世界各地の生態系の劣化が叫ばれるなか、ペットやふれあい目的での利用は、フクロウの脅威となっていないのか?海外原産のフクロウが逃げて日本の生態系に影響を与える恐れはないのか?ファクトシートを見ながら、適切なフクロウと人の関係を、いま一度考えてみませんか?