カンムリワシが舞う農園の取り組み~石垣島
2023/11/10
沖縄県石垣島で先日、カンムリワシと共生する農園作りを目指すクリーンアップイベントが開催され、子どもから大人まで20名を超す市民の方々が参加しました。
農園のある場所は、ラムサール条約湿地・名蔵アンパルの水源を擁する前勢岳の麓。以前私が訪問した際は、農園の入口で羽を休めるカンムリワシの姿が見られました。
最初に直面したのは、耕作放棄されていた土地に不法投棄されたゴミの山。家電、タイヤ、車両等々、だいぶ古い物から最近捨てられたゴミまで、農園用地の各所に埋まっていました。
作業に従事された皆さんの前には、多種多様な野生生物が姿を見せてくれました。サキシママダラ、イシガキトカゲ、サキシマヌマガエル、ヒメアマガエルのオタマジャクシ、オオムカデ、ナナフシ、ハナムグリの幼虫、オカヤドカリ等々。
現在、農園が隣接する場所では、約127ヘクタールの大規模なゴルフ場付きリゾート施設の建設計画が進められています。この施設で使う一日約1000トンの水の7割(約700トン)を地下水を汲み上げて賄う計画となっていて、この農園を含む周辺農地への影響が懸念されています。
イベントを主催した石垣島の市民団体「カンムリワシの里と森を守る会」と「アンパルの自然を守る会」が中心となって実施中のクラウドファンディングでは、カンムリワシ「自然の権利」訴訟の活動とともに、こうした農園の取り組みも支援しています。
カンムリワシの姿は、それを支える多種多様な生物が生息している豊かな生態系の証です。石垣島の貴重な自然と共生する農園作りの取り組みを、引き続き応援したいと思います。
※クラウドファンディングはこちら(camp-fire.jpのサイトへ)
※ゴルフ場付きリゾート計画の見直しを求める、我がーやいまの自然環境を考える会とアンパルの自然を守る会による、オンライン署名も引き続き募集中です(change.orgのサイトへ)
(野生生物グループ 小田倫子)