© Anton Vorauer / WWF

トラの足跡が示すもの


こんにちは。C&M室の渡邉です。

先月、タイのクイブリ国立公園を訪れました。

クイブリ国立公園は今年1月に、約9年ぶりにインドシナトラの存在が確認されるまで、トラはもういないのでは、と思われていた場所です。

今回私たちがクイブリ国立公園を訪れた理由の一つは、なんと!トラの足跡が見つかったという嬉しいニュースが舞い込んだからです!

クイブリ国立公園は、バンコクから約280km南西に位置し、ミャンマーの国立公園と隣り合っています。

© Anton Vorauer / WWF

インドシナトラは、メコン川流域の森に生息します。20世紀終わりごろの推定個体数は1400頭でしたが、現状ではたったの200頭まで減少。原因は、森の消失や密猟です。(足跡を残したトラとは異なるトラです)

バンコクから車で約5時間。
ドキドキしながら、一般の人は入れない森の道を静かに歩きます。

気温と湿度が高いため、歩いていると比較的涼しい森の中でも汗ばんできます。草をかき分けながら、必死にレンジャーの後ろに続きます。

すると…!

くっきりとした足跡が一つ、泥の上に残されていました。
まぎれもない、トラの足跡です!

ぬかるんだ泥の上を通った際についた足跡がそのまま乾燥し、くっきり残っていました。直径はおおよそボールペンの長さと同程度。お手持ちのボールペンで大きさを体感してみてください!

たった一つの足跡に、そんな大げさな!と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、この足跡により、クイブリ国立公園でのインドシナトラの行動が確認できたこと。トラが国境を接しているミャンマー側の森と行き来している可能性が高いこと。そしてこの場所が、インドシナトラを保全する上で、とても重要であることが改めて確かめられたのです。

クイブリ国立公園で20年勤務しているWWFタイのスタッフも、この足跡の発見は今まで働いてきた中で一番エキサイティングだ!と興奮気味でした。

WWFタイとWWFジャパンのスタッフたち

私が足跡を前にして感じたのは、インドシナトラが存在することへの喜びだけではありません。

パトロールや調査に取り組む国立公園のレンジャーや、一緒に活動を行なっているWWFタイのスタッフの頑張りと、日本の地からサポートしてくださっている、WWFジャパンのサポーターの皆さまのご支援が、繋がり合った成果であることを、改めて感じました。

この森とトラを保全する活動は、まだまだ始まったばかりです。
引き続き、活動への注目とご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

https://www.wwf.or.jp/campaign/da/

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ブランドコミュニケーション室 メディアグループ長
渡邉 ゆみ

学士(生物学)
卒業後は大手IT企業でデジタルマーケティングの企画立案・実施支援に主に従事し、組織の成果指標の統一化などのプロジェクトも担当。2018年にWWFジャパンのWeb担当として入局し、デジタルメディアの活用と拡大に取り組み、2021年より現職。

人も自然も繁栄していくにはどうしたら良いのかを調べている内に、WWFにたどり着きました。
自然の中でボーっとリラックスしたり、暗い森やナイトダイビングで灯りを消してゾクゾクするのが好きです。好きな動物はゴリラ。好きだからこそミステリアスな存在でいて欲しい気持ちと、もっと知りたい気持ちの板挟み状態です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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