「ネイチャー・ポジティブ」を実現する一歩
2024/03/25
最近、「生物多様性」という言葉を、さまざまな場で耳にするようになりました。
ビジネスや経済など、これまではなかなか聞かれなかった場でも、大事なキーワードになりつつあります。
世界の生物多様性の保全の目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が、2022年に採択されて以降、これが各国の政策にも反映されるようになり、社会に大きく広がり始めているのです。
これに伴い、もう一つ知られるようになった言葉があります。
「ネイチャー・ポジティブ」という言葉です。
これは、自然や生態系の「回復」を意味する言葉で、その実現は「枠組」の目標としても定められています。
日本国内においても、「ネイチャー・ポジティブ」の実現は大きな課題。ですが、具体的に何をすればよいのか、どうなれば達成したといえるのか、その具体的なイメージは、まだよく見えていません。
そこで、私たちWWFジャパンでは今、林業に力を入れる宮城県南三陸町の方々と協力し、「ネイチャー・ポジティブ」を形にする取り組みを始めようとしています。
一つのカギは、IUCN(国際自然保護連合)が世界に共通した「ネイチャー・ポジティブ」の条件として提示している「10の原則」。
これをどう日本の山林で実現していくのかが、私たちの大きな挑戦です。
自然豊かな森と人の関係を育んでいくために、なすべきことはたくさんあります。
真の意味で「ネイチャー・ポジティブ」を実現する一歩を、南三陸の皆さんと共に、踏み出していきたいと思います。