自然関連情報開示タスクフォース(TNFD)が推奨する開示について 報告書を発表
2023/08/30
南三陸のFSC認証林を事例に、企業と自然の依存と影響を検証。 TNFDとFSCの「親和性」が認められる
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下 WWF ジャパン)は、2023年9月18日に迫った自然関連情報開示タスクフォース(TNFD)の公開を前に、企業や金融機関に求められる自然情報の開示についての考え方を取りまとめた報告書『TNFD開示が推奨する企業と自然の依存と影響 -南三陸のFSC認証林におけるLEAP検証を事例に- 』を発表しました。本レポートでは、南三陸をケーススタディとして取り上げ、パイロットテストの実施により得られた結果や考察をご紹介するとともに、TNFDとFSCの「親和性」についての検証結果をまとめました。
『TNFD開示が推奨する企業と自然の依存と影響-南三陸のFSC認証林におけるLEAP検証を事例に-』(PDF)
2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(CBD・COP15)では、生物多様性を保全していくための新たな国際目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」が採択されました。中でも目標15では「生物多様性に係るリスク、生物多様性への依存及び影響を定期的にモニタリングし、評価し、透明性をもって開示すること」が掲げられました。
ネイチャー・ポジティブを実現するために、企業や金融機関がどのように自然情報と向き合い開示への道筋を立てていくべきかを検証するため、WWFは南三陸森林管理協議会(以下、協議会)の協力の下、協議会が管理するFSC認証林においてTNFDが推奨する自然情報の分析手法であるLEAPアプローチをパイロット的に実施しました。その結果、FSC認証林には TNFD の LEAP プロセスに必要な依存、インパクト(影響)、リスク、機会の元になる情報が概ね存在し、特に自然関連のリスクには一定の配慮があることが確認できました。このことから、LEAPとFSCの審査項目には高い整合性があることが認められました。
公開資料
『TNFD開示が推奨する企業と自然の依存と影響-南三陸のFSC認証林におけるLEAP検証を事例に-』