熱帯の川は何色?
2019/09/11
みなさんは、熱帯の川というとどんな色を思い浮かべるでしょうか?
多くの方は、茶色をイメージするのではないでしょうか?
実は熱帯の川は3つのタイプに分けられます。
熱帯でよく見られる茶色の川は、「ホワイト・ウォーター(whitewater)」と呼ばれるタイプで、泥や土が大量に混ざりこむことでこのような色になります。
土壌流出や汚染が起こっているわけではなく、もともとこのような色をしています。

インドネシアのテッソ・ニロ国立公園を流れる川
2つ目のタイプは「ブラック・ウォーター(blackwater)」と呼ばれ、タンニンや腐食酸が多く含まれており、黒っぽい色をしています。
強い酸性で、あまり生き物は見られません。

ブラジルのネグロ川
そして3つ目は「クリア・ウォーター(clearwater)」と呼ばれ、今回ミャンマーの森の現場を訪れた際に見ることができました。

ミャンマー・タニンダーリ地方域を流れる川
浸食しにくい岩などからなる土地を流れているために土壌があまり混ざりこまず、透明度が高くなっています。
しかし、大規模な森林伐採が行われれば、土壌が流出し、濁った川になってしまうかも知れません。

Sin Koe Lat滝。タニンダーリ地域は急峻な地形が多いため、滝もよく見かけます。
私たちは今、現地のWWFの仲間たちと共に、ミャンマーの森林やそこに生息する野生生物を守るプロジェクトを進めています。
その一つが持続可能な天然ゴム生産の取り組みで、既存の農園から十分な収入が得られ、新たに森を切り開かずに済むような状況を作り出そうとしています。

天然ゴム農園。幹に取り付けられているのは雨除けで、雨季でも樹液(天然ゴムの原料)を収穫できるようにするための仕掛けです。木と木の間に植えられている苗木はカカオで、混作も進めています。
またこの地域は絶滅が危惧されているインドシナトラの生息地でもあります。
広い森を必要とするため、分断された森をつないだり、既存の森のつながりを維持したりすることで、減少を増加に反転させたいと考えています。

インドシナトラ
この時見た川の色を、維持・改善していけるよう活動を続けていきます。
ぜひ今後もご注目・ご支援をよろしくお願い致します。
地球から、森がなくなってしまう前に。
森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?