© camilodiazphotography / WWF-Colombia

「カエル」の日に、初心にカエル


本日、3月20日は「世界カエルの日」です。

カエルの保護に取り組むアメリカのボランティア団体が、世界で両生類の普及啓発と保全を考える日として提唱しています。

虫などの小動物を食べ、鳥やヘビなどに食べられるカエルは、自然界に生きるさまざまな生きものたちとかかわっているため、生態系を豊かに保つ大切な生きものの一つです。

しかし、生息地の破壊、カエルツボカビ症の拡大、気候変動による自然環境の変化やペット目的の過剰捕獲などにより、カエルを含む両生類は、危機的な状況にあります。

世界で把握されている約8000種の両生類のうち約4割が絶滅の危機にあると考えられている。
© Day's Edge Productions / WWF-US

世界で把握されている約8000種の両生類のうち約4割が絶滅の危機にあると考えられている。

その中でも近年は、ペット目的での過剰な捕獲が両生類に与える影響が心配されるようになりました。

例えば、インターネットで検索をすると国内外の様々な種類の両生類が販売されていて、いわゆる絶滅危惧種が販売されている様子も見てとれます。

WWFの野生生物取引監視部門であるTRAFFICの調査では、販売が確認された両生類の4分の1が絶滅のおそれのある種(絶滅危機種か近危急種)に分類される種であったことが確認されました。

https://www.traffic.org/site/assets/files/17487/illuminating-amphibians-correction082022.pdf

「絶滅のおそれのある生きもの」を、利用し需要を高めることで、過剰な捕獲を引き起こしてしまいます。

また、絶滅のおそれが高くない生きものであっても、過剰に捕獲・利用すれば、その種の存続に影響を与えてしまうことも心配されています。

ですから消費者は、「販売されている生きものがどこからどのようにやってきたのか」ということに関心を持つことが大事です。

「生きものが好きだからこそ、生きものが長く地球上に存続していけるためにはどうしたらよいのか」

本日は、初心にカエり、「生きものとのお付き合い」を改めて考える日にしていただければと考えています。
(野生生物グループ:柴田)

この記事をシェアする

自然保護室(野生生物)
柴田 有理

法務博士。大学院卒業後は官公庁に勤務。法律等による取締りの実務に携わった後、2023年にWWFに入局。現在は違法な野生生物取引及び持続可能でない野生生物取引対策業務を担当。

プライベートでもWWF会員。たくさんの人が地球のことをポジティブに考えられる未来を目指して日々勉強中。気になる動物はアオウミガメとセンザンコウ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP