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少しの気配りで最高の夏休みに~奄美大島の自然に学ぶ~


世界自然遺産登録から3年目を迎えた奄美大島には、豊かな自然があるからこその課題が残されています。

課題の一つである密猟・盗掘や不適切な生き物の島外持ち出し対策のため、6月に奄美大島でセミナーを開催しました。

2024年6月25日に開催「奄美大島における野生生物の密猟・持ち出し対策セミナー」のチラシ。

このセミナーの実施報告と、その後の対策について島の皆さんと協議するため、8月上旬に再度、奄美大島を訪れました。

その際、「奄美群島希少野生生物保護対策協議会」(奄美大島地区)の会合に、参加させていただきました。

地元の行政関係者や、自然保護にかかわる方々が集まったこの対策協議会では、外来種対策、密猟・盗掘、ロードキル(野生生物との衝突事故)といった課題解決に向けた検討を行ないました。

密猟・盗掘の課題

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アマミイシカワガエル。金色の美しい文様があり、密猟の対象となっている。

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カクチョウラン。ラン科の植物は愛好家に人気があり、盗掘の被害に遭いやすい。

ロードキルの課題

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アマミヤマシギ。こんなに近くまで車で近づいてもあまり逃げない。そのため、ロードキルに遭うことがある。

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アマミノクロウサギのフン。草のような匂いがする。アマミノクロウサギは天敵であるハブに襲われないよう、フンをする際には広く見渡せる場所を好む。舗装された道路はうってつけの場所。そのため、自動車で道路を走行する際にはゆっくり進行し、アマミノクロウサギがいないか確認しながら運転する必要がある。

外来種の課題


これらの課題解決のためには、行政だけではなく、島に訪れる観光客を含め、島にかかわるすべての人に課題を知っていただくことが、とても大切です。

なぜなら、島に生息・生育する生き物をむやみに捕獲・採集したりするのを控えることや野生生物と衝突しないように気を付けることは、島民だけでは不十分で、また誰にでもできることだからです。

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会議終了後には奄美空港で、観光客に密猟・盗掘やロードキルの防止について伝えるチラシを配布。こうした課題に目を向けていただきながら、島の魅力と、「世界遺産の島にやってきた!」という特別な気持ちを、大切にしていただきたいと思いながら配らせてもらいました。

奄美大島では、野生生物と人間が共存する世界自然遺産の島を目指し、行政や民間の方々が連携して活動されています。

これからもそんな奄美の挑戦を応援し、南西諸島の野生生物保全のために活動していきたいと思います。
(野生生物グループ柴田)

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自然保護室(野生生物)
柴田 有理

法務博士。大学院卒業後は官公庁に勤務。法律等による取締りの実務に携わった後、2023年にWWFに入局。現在は違法な野生生物取引及び持続可能でない野生生物取引対策業務を担当。

プライベートでもWWF会員。たくさんの人が地球のことをポジティブに考えられる未来を目指して日々勉強中。気になる動物はアオウミガメとセンザンコウ。

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