©WWF-UK / James Morgan

コロナや違法取引を嗅ぎだせる?探知犬の活躍


みなさん、「探知犬」をご存知ですか?

イヌの嗅覚は人の1億倍とも言われています。
その特性を活かして様々な場面で活躍する「探知犬」。

銃器発見や犯人追跡で活躍する警察犬、空港で肉製品や果実などを嗅ぎ分ける検疫犬、そして麻薬探知犬。その他にも災害時に瓦礫に埋もれ助けを求める人を見つけ出す災害救助犬。

どれもイヌの優れた嗅覚が要となっています。

日本でも活躍している探知犬がいますが、フィンランドのヘルシンキ空港では、新型コロナウイルスの感染者を嗅ぎ分ける探知犬が試験的に配備されたことがニュースで取り上げられていました。

コロナウイルスに感染した人の汗の臭いに違いがあり、特定するとのこと。

これまでも、癌やマラリア、パーキンソン病といった疾患を探知できるとの報告もありように、イヌの嗅覚の可能性が拡がりをみせています。

2020年12月には、フランスとレバノンの研究チームが行なった病院での実験を元にした、論文も発表されました。

またこの他にも、空港で手荷物や預け入れ荷物から、生きた野生動物や野生生物製品を嗅ぎ分けて見つける「野生生物探知犬」の導入を進めている国もあります。

WWFインドが実施しているトラ保護プロジェクトの一環で支援しているインド、ボパール(Bhopal)にある野生生物探知犬の訓練施設。野生生物探知犬は、インドの他にも中国やアメリカ、ケニアなどで導入されている
©TRAFFIC

WWFインドが実施しているトラ保護プロジェクトの一環で支援しているインド、ボパール(Bhopal)にある野生生物探知犬の訓練施設。野生生物探知犬は、インドの他にも中国やアメリカ、ケニアなどで導入されている

この野生生物探知犬については、私たちも、海外の事例紹介などを通じて、日本でも導入が進むように政府に検討を働きかけています。

研究段階の事例もまだ多くありますが、コロナ対策や違法取引の検挙など、未来に貢献してくれる探知犬たちの活躍には、今後も期待したいと思います!

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

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