ゾウと人を「ミツバチ」が救う!?
2024/12/02
陸上最大の体躯をもつアフリカゾウ。
天敵もほぼいない、そんなアフリカゾウにも実は苦手な動物がいます。
それは、「ミツバチ」!
ゾウがミツバチや巣を避ける習性に着目して、ゾウによる農作物の被害を抑える試みが今、各地で広がっています。
これは、農地や集落の周りに、ミツバチの巣箱を並べた「Beehive(ハチの巣)フェンス」を設置し、そこでゾウを追い返す!というもの。
今年10月に発表された、9年間にわたる研究の結果によれば、Beehiveフェンスを設置したことで、ゾウによる農作物への被害が86%も減少した例もあるとのこと!
農業被害が抑えられれば、地域の人々がゾウを恨んだり、害することもなくなります。
さらに、この巣箱からは収入源になるハチミツも採れる!
小さなミツバチたちは、アフリカゾウと人の衝突や「あつれき」を軽減する、大きな役割を果たしてくれているのです。
しかし、そんな素晴らしい取り組みにも、脅威が迫っています。
気候変動がもたらす干ばつなどの異常気象が生じたシーズンに、ハチが減少してしまう事態が発生。
そうなれば、農業被害を防ぐ効果も、ハチミツの収量も、減じてしまうことになり、ゾウと人の共存を目指す保護のための取り組みも、大きな影響を受けることになります。
自然に対する影響は、全てつながっています。
Beehiveフェンスの活動が成功しても、気候変動の脅威を抑えられなければ、人とゾウの「あつれき」問題は解決できません。
多様化し、複雑化する環境課題に挑戦するため、私たちは出来る限り広い視野と知見をもち、より多様で多彩な関係者と手を取り合いながら、活動をいっそう促進させていきたいと思います!