© naturepl.com / John Downer / WWF

今日は「パキダム(サイとアフリカゾウ)」の日!


9月22日は、「世界サイの日」。

サイに思いを馳せ、保全策が進むよう願う日です。

そして、私が担当するゾウの保護プロジェクトの現場である、タンザニアでは、この日は「アフリカゾウの日」でもあります。

サイとゾウは、その厚い皮膚が特徴的なため、18世紀には「厚皮目(こうひもく:Pachydermata)」という、同じ生物のグループに分類されていました。

今では、サイは「奇蹄目」、ゾウは「長鼻目」と、別々に分類されていますが、WWFではこの2種を、厚皮類の名称から採った「パキダム(Pachyderm)」という愛称で呼んでいます。

タンザニアでは、このパキダム、クロサイとアフリカゾウが同じ生態系の中で共存していることが多く、また、密猟や、生息地の分断といった共通の危機にもさらされているため、同一の取り組みが、両種の保全に繋がっています。

ムコマジ国立公園内のサンクチュアリにいるクロサイ。<br>タンザニアのクロサイは、1960年代に1万頭ほど生息していましたが、1990年代には32頭にまで減少。その後の保護政策により、2018年には163頭まで回復しました。しかし、角を狙った密猟は、今も脅威となっています。WWFジャパンが活動を支援している、タンザニアの北東部に位置するムコマジ生態系では、国立公園内でのクロサイの回復に向けた取り組みが進められています。
© WWFジャパン

ムコマジ国立公園内のサンクチュアリにいるクロサイ。
タンザニアのクロサイは、1960年代に1万頭ほど生息していましたが、1990年代には32頭にまで減少。その後の保護政策により、2018年には163頭まで回復しました。しかし、角を狙った密猟は、今も脅威となっています。WWFジャパンが活動を支援している、タンザニアの北東部に位置するムコマジ生態系では、国立公園内でのクロサイの回復に向けた取り組みが進められています。

タンザニアのアフリカゾウ。アフリカゾウは全体として減少傾向にありますが、ムコマジ生態系ではその数が増えています。干ばつや大規模な開発の影響により、ケニアから移動してきたと考えられており、かつては50頭ほどだった個体数が、2015年~2018年の間に1200頭に増加。農地や家屋が荒らされたり、地域住民がケガを負うなどして、報復としてゾウが殺される「あつれき」の問題も起きています。WWFは、地域社会をサポートしながらあつれき緩和策などを推進し、アフリカゾウへの脅威を減らす取り組みを進めています。
© WWFジャパン

タンザニアのアフリカゾウ。アフリカゾウは全体として減少傾向にありますが、ムコマジ生態系ではその数が増えています。干ばつや大規模な開発の影響により、ケニアから移動してきたと考えられており、かつては50頭ほどだった個体数が、2015年~2018年の間に1200頭に増加。農地や家屋が荒らされたり、地域住民がケガを負うなどして、報復としてゾウが殺される「あつれき」の問題も起きています。WWFは、地域社会をサポートしながらあつれき緩和策などを推進し、アフリカゾウへの脅威を減らす取り組みを進めています。

このパキダムたちが直面する課題を解決し、地域の住民たちと共生していけるように、タンザニアのスタッフとタッグを組んで、これからも取り組みを進めていきます!

タンザニアのプロジェクトメンバーと@ムコマジ国立公園

タンザニアのプロジェクトメンバーと@ムコマジ国立公園

アフリカゾウを守ろう!WWFの野生動物アドプト制度 継続スポンサー

【寄付のお願い】アフリカゾウの未来のために|野生動物アドプト制度 アフリカゾウ・スポンサーズ

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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