今日は「パキダム(サイとアフリカゾウ)」の日!
2024/09/22
9月22日は、「世界サイの日」。
サイに思いを馳せ、保全策が進むよう願う日です。
そして、私が担当するゾウの保護プロジェクトの現場である、タンザニアでは、この日は「アフリカゾウの日」でもあります。
サイとゾウは、その厚い皮膚が特徴的なため、18世紀には「厚皮目(こうひもく:Pachydermata)」という、同じ生物のグループに分類されていました。
今では、サイは「奇蹄目」、ゾウは「長鼻目」と、別々に分類されていますが、WWFではこの2種を、厚皮類の名称から採った「パキダム(Pachyderm)」という愛称で呼んでいます。
タンザニアでは、このパキダム、クロサイとアフリカゾウが同じ生態系の中で共存していることが多く、また、密猟や、生息地の分断といった共通の危機にもさらされているため、同一の取り組みが、両種の保全に繋がっています。
![ムコマジ国立公園内のサンクチュアリにいるクロサイ。<br>タンザニアのクロサイは、1960年代に1万頭ほど生息していましたが、1990年代には32頭にまで減少。その後の保護政策により、2018年には163頭まで回復しました。しかし、角を狙った密猟は、今も脅威となっています。WWFジャパンが活動を支援している、タンザニアの北東部に位置するムコマジ生態系では、国立公園内でのクロサイの回復に向けた取り組みが進められています。](/image/article/article_images/20240920wildlife02.webp)
ムコマジ国立公園内のサンクチュアリにいるクロサイ。
タンザニアのクロサイは、1960年代に1万頭ほど生息していましたが、1990年代には32頭にまで減少。その後の保護政策により、2018年には163頭まで回復しました。しかし、角を狙った密猟は、今も脅威となっています。WWFジャパンが活動を支援している、タンザニアの北東部に位置するムコマジ生態系では、国立公園内でのクロサイの回復に向けた取り組みが進められています。
![タンザニアのアフリカゾウ。アフリカゾウは全体として減少傾向にありますが、ムコマジ生態系ではその数が増えています。干ばつや大規模な開発の影響により、ケニアから移動してきたと考えられており、かつては50頭ほどだった個体数が、2015年~2018年の間に1200頭に増加。農地や家屋が荒らされたり、地域住民がケガを負うなどして、報復としてゾウが殺される「あつれき」の問題も起きています。WWFは、地域社会をサポートしながらあつれき緩和策などを推進し、アフリカゾウへの脅威を減らす取り組みを進めています。](/image/article/article_images/20240920wildlife03.webp)
タンザニアのアフリカゾウ。アフリカゾウは全体として減少傾向にありますが、ムコマジ生態系ではその数が増えています。干ばつや大規模な開発の影響により、ケニアから移動してきたと考えられており、かつては50頭ほどだった個体数が、2015年~2018年の間に1200頭に増加。農地や家屋が荒らされたり、地域住民がケガを負うなどして、報復としてゾウが殺される「あつれき」の問題も起きています。WWFは、地域社会をサポートしながらあつれき緩和策などを推進し、アフリカゾウへの脅威を減らす取り組みを進めています。
このパキダムたちが直面する課題を解決し、地域の住民たちと共生していけるように、タンザニアのスタッフとタッグを組んで、これからも取り組みを進めていきます!
![タンザニアのプロジェクトメンバーと@ムコマジ国立公園](/image/article/article_images/20240920wildlife04.webp)
タンザニアのプロジェクトメンバーと@ムコマジ国立公園