未来の動物看護師への期待
2024/07/09
動物病院で獣医療を支える動物看護師という職業をご存知でしょうか?2022年から愛玩動物看護師が国家資格となり、ペットの看護及び福祉に、より高い専門性が求められるようになりました。
先日、愛玩動物看護師をめざす学生が通うヤマザキ動物看護大学と帝京科学大学で野生動物のペット利用に関する活動についてお話する機会がありました。

ヤマザキ動物看護大学での講義の様子。動物看護に直結する話題ではありませんでしたが、ほとんどの受講者が一生懸命に聞いてくれました。
日本で飼育されている愛玩動物のほとんどは、家畜化された動物で、中でもイヌとネコが圧倒的多数です。

調査会社が2024年に実施した「ペットに関する調査」の結果
https://www.cross-m.co.jp/file/news_release_20240424.pdf
大学生が学ぶ対象も家畜化された動物が主ですから、背景となる日本のエキゾチックペット市場の実態や取引・飼育に関する規制などをお話した上で、野生動物をペットとすることの課題と取り組みを伝えしました。
例えば、フクロウは、飛翔し獲物を捕獲する動物です。しかし、多くの場合止まり木などにつながれた状態で、死んだ動物をエサに飼育され、本来の習性を発揮することはできません。
このような動物福祉含む様々な課題解決のため、私たちは今、消費者の行動変容を促すキャンペーンや規制の見直しの働きかけを行なっています。

https://www.wwf.or.jp/campaign/uranokao
WWFジャパンが過去に行なった調査で、野生動物をペットとして飼いたいという意向は、若い世代ほど高いという結果が出ています。

動物(イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、セキセイインコ、金魚などを除いた)の年代別飼育意向
「動物のプロ」を目指す若者が、野生動物をペットにしたいという人に接した時に私の話を思い出し、野生動物のペット飼育に伴う大きな責任を伝えてくれることを期待しています(野生生物グループ 若尾)。