© Martin Harvey / WWF

また密輸!今度はオーストラリア最大のトカゲ!


11月26日、またも大規模な動物の密輸事件が発覚しました!

内容は、「ワシントン条約」で輸入が規制されているトカゲ2頭、サル11頭などを密輸、販売し、容疑者が書類送検された、というもの。

報道によると、トカゲはオーストラリア最大の種で、全長2メートルにもなるペレンティオオトカゲ。末端価格は600万円です!

また、事件に関与した容疑者は複数おり、その多くが動物卸業者やペットショップ経営者など動物取扱業者であったことも驚愕でした。

これは、日本でも悪質なペット業者などがいまだに、野生動物を危機に追い込む問題に深く関与していることを示すものです。

ペレンティオオトカゲと同じVaranus属でオーストラリアに生息するスナオオトカゲ
© Martin Harvey / WWF

ペレンティオオトカゲと同じVaranus属でオーストラリアに生息するスナオオトカゲ

奇しくも、この日11月26日は、日本で野生動物の違法取引に関係する新たな規制が始まった日。

その規制対象となったのは、こうしたトカゲなどと同様、ペットとして高額で取引されてきたコツメカワウソなど、16種の動物です。

これは、8月のワシントン条約締約国会議で国際取引の禁止が決定されたことを受け、日本国内での販売規制が適用されたもの。

該当する動物を販売するペット業者などは、新たに環境省への登録が義務付けられることになります。

しかし、現行の制度には問題があり、密輸された個体が区別されないまま、合法に輸入された個体として登録できてしまうのが現状です。

密輸された個体が、日本の市場に入り込み、その動物を危機に追い込むようなことは、絶対に避けねばなりません。

コツメカワウソ然り、また今回のペレンティオオトカゲ然り。

私たちは、こうした国内でのペットの販売規制について、より厳格なルールづくりと、その運用を求めていきます。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
浅川 陽子

学士(法学)
大学卒業後は官公庁に勤務。JICAの青年海外協力隊としてインドネシアの国立公園で環境教育とコミュニティ開発に携わった後、2018年にWWFに入局。
ペットプロジェクトでは、規制強化を担当し、2021年からは消費者の意識変容に向けた取り組みにも着手。

動物好きな消費者が、野生動物を絶滅の危機にさらしてしまわないよう、あるべき野生動物との付き合い方、社会のルールとは何か、を日々勉強中。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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