リュウキュウヤマガメなどの希少なカメ64頭が盗難!
2019/11/06
「希少なカメ大量盗難!」というショッキングなニュースが飛び込んできました。
報道によれば、リュウキュウヤマガメ15頭、セマルハコガメ49頭が沖縄市の動物園から盗まれてしまったとのこと。
両種は、限られた地域だけに生息し、特別に価値が高い生きものとされ、国の法律や条令で捕獲が禁止されています。
しかし、ペットとしての人気の高まりと同時に、海外での販売が確認されるようになったことから違法取引が問題視されていました。そして、2013年にワシントン条約の保護対象種に指定され、国を超えた取引についても規制が及ぶようになったのです。
しかし、法的な規制が強まった今でもなお、違法取引の脅威はなくなりません。2018年には、リュウキュウヤマガメ60頭が日本から持ち出され、香港の空港で押収される事件が起こっています。
今回盗難されたカメも、海外に密輸される可能性は十分考えられるのです。
規制が有効に機能するためには、水際での法執行強化も必要です。
2019年には沖縄や鹿児島地域で行政や警察、民間企業、NPOなどによる「密猟・密輸対策連絡会議」が発足しました。希少種の密猟防止や地域外への持ち出し事案の摘発に向け、関係機関が連携して、情報収集や対策、監視・連絡体制を強化しています。
WWFの野生生物取引監視部門であるトラフィックも、税関や空港職員向けの研修に携わり、こうした取り組みを支援していきます。