センザンコウ、木に登る(動画あり)
2024/02/16
世界で8種が生息しているセンザンコウ(英語名Pangolin)は、センザンコウ目(鱗甲目)に属する哺乳類です。東南・南アジアとアフリカに分布しています。
ちなみに、同じくアリを食する、硬いうろこに覆われた哺乳類として、アルマジロがいます。アルマジロはアリクイ目の哺乳類で、アリクイの仲間は中南米だけに生息しています。
センザンコウは、まつぼっくりのような大きなうろこで覆われた姿が特徴的で、この硬い鎧には、肉食獣も歯が立ちません。
大きな爪を使って木登りも上手です。
しかし、このうろこや爪が高値で密売されるため、センザンコウは「世界一密猟されている哺乳類」と言われています。2021年には少なくとも23.5トンのセンザンコウやその部位が取引され(TRAFFIC調べ)、8種すべてがIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種となっています。
WWFジャパンは、センザンコウの生息地であり、国際的な野生生物取引の拠点となっているタイ・ミャンマー国境地帯で、密猟・違法取引対策を進めるWWFタイの活動を支援しています。
2月17日は世界センザンコウの日(毎年2月第3土曜日)。
絶滅の危機に瀕する野生生物は増加し続け、昨年12月に発表された最新のIUCNレポートによると世界で44,016種。
人間の欲望が、地球上の他の生物を絶滅に追いやる。
既に姿を消してしまった野生生物も少なくありません。
生きたセンザンコウの姿が森から消えてしまわないために、私たち人間が何ができるのか、考える日にできればと思います。
(野生生物グループ 小田倫子)