© Yumiko Okamoto

カワウソのフン作り国際コンテスト優勝!?


毎年、世界各地で様々なテーマの国際会議が開催されています。

地球環境や野生動植物の保全を遂行する上で、知見の共有や交流を行なう国際会議に参加することも大切な活動のうちの一つです。

そして、今回2022年9月にフランスで開催された「15th International Otter Congress(第15回国際カワウソ会議)」に参加してきました。

本会議は、主にIUCN-SSCOtter Specialist Group(国際自然保護連合・種の保存委員会カワウソ専門家グループ)のメンバーが対象。私も同専門家グループの一員として、カワウソを含む野生動物のペット利用問題について発表を行ないました。

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全体参加者約200名のうち多くはオンラインでの参加でしたが、1/3が世界各地からフランス現地に集結。カワウソを中心に、野生動物の保全政策やペット利用問題について日々熱い議論が交わされました。

会期中には野生動物の専門家としての力量を試すアクティビティが開催され、中でも特に盛り上がりを見せたのが「カワウソのフン作り国際コンテスト」です。

粘土を基に、実際にカワウソ類のフンに含まれていることが多いエビの殻や毛を用いて誰が一番リアルなフンを作れるか―というものですが、ただの余興ではありません。

野生動物の専門家にとって、フンは野外で種の識別や食性の解明を行なう上で非常に重要なものであり、日頃の観察力が試されるものなのです。

©Yumiko Okamoto

参加者たちの表情からも、いかに真剣に取り組んでいるかが伺い知れます。

そして、約15分の激闘(真剣な作成タイム)の末、参加者全員による投票が行なわれました。

その結果-私の作成したユーラシアカワウソ(学名:Lutra lutra)のフンが最も多くの票を獲得し、優勝!

運営委員会から表彰もしていただき、大変嬉しい結果となりました。

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優勝を収めたユーラシアカワウソのフンを再現した作品。カワウソ類はマーキングのため石の上など目立つ場所に排せつする場合が多く、その状況も再現しています。

野生動物の保全においては、まずその動物や生息環境についての理解が欠かせません。

今後も、積極的に国内外において様々なフィールドに出かけ、生きものの知見と観察力を磨いていこうと改めて心に誓う出来事となりました(野生生物グループ岡元)。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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