チリ海洋保全の現場から:海洋保護区の管理強化
2024/12/02
日本の皆さんこんにちは、WWFチリのマリア・エリッサです。
私は保護区と地域コミュニティに関する保全活動のコーディネーターとして、海洋保護区の管理強化に取り組んでいます。
チリでは、排他的経済水域の40%以上が海洋保護区に指定されていて、昆明・モントリオール生物多様性枠組で求められている国際的な目標(2030年までに陸域・淡水域・海域の30%を保護)をすでにクリアしています。
その一方で、保護区の管理を強化していくことが、保全を効果的に進めるために重要な課題となっています。
そこで私たちは2015年から、南部のコルコバド湾にある「ピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区」で、管理強化のための取り組みを行なってきました。
その結果、チリで初となるステークホルダーの協働による管理計画をつくることができ、また地域コミュニティと政府機関による共同管理の体制をつくることにもつながりました。
日本の皆さんの長年のご支援により、チリの海洋保護区の管理にとって重要な成果を実現することがき、心から感謝申し上げます。
私たちはいま、ピティパレーナ・アニーウェ海洋保護区での活動に加え、他の保護区に関わる政府機関、地域住民や先住民の方々も含めた研修などを通じて、管理強化の拡大にも取り組んでいます。
ステークホルダーの方々への働きかけは簡単ではありませんが、継続した取り組みによって、より多くの人たちが私たちに賛同してくれるようになっていきています。
保護区の管理強化を通じて、生物多様性の豊かなチリ南部パタゴニア地域の海を守る活動をさらに前に進めていきたいと思いますので、ぜひご支援いただけますと幸いです。(編訳:海洋水産グループ 吉田)