COP28現地発信:日本の非国家アクターがカーボンプライシング政策の改善を提言
2023/12/08
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催されている国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)では、各国政府による交渉の外で、政府やNGOなどが主催するたくさんのイベントが行われています。
12月5日、非国家アクターと呼ばれる、企業や自治体、大学や研究機関、若者団体やNPO/NGOなど多様な主体が集まる日本のネットワーク「気候変動イニシアティブ(JCI)」が、日本政府のパビリオンでイベントを開催しました。
イベントの冒頭では、JCI共同代表の加藤氏から、同日、JCIは政府に対し、政府がGX推進に基づき進めるカーボンプライシング政策の改善に向けた具体的な提言書を公表したと発表。この提言書には、JCIに参加する186のメンバー団体が名を連ねています。
登壇者たちは、2050年ネットゼロに向けて、2030年に世界のCO2排出量を半減、そして2035年には65%を削減するために、非国家アクターがこれからどう取り組み、政府にはどのような政策が期待されるのかを議論。
登壇したJCIメンバーからは、自らの取り組みを進めるためには、政府が1.5℃目標の実現に整合する明確な道筋を示すことが不可欠であり、それぞれの業界、主体の取り組みを後押しする具体的な政策を求める声があがりました。
COP会場内では、こうした各国非国家アクターの取り組みや政府に向けた提言の発信がいたるところで行われています。
脱炭素の実現には、企業や自治体など、消費者や市民の生活に密接にかかわる非国家アクターの取り組みの加速が欠かせません。
また、その非国家アクターの取り組みを加速するためには、政府が高い目標をもち、非国家アクターの取り組みを真に推進する具体的な政策を積極的に打ち出していくことが求められます。
COP28も中盤を迎えようとしていますが、交渉の外で行われるこうした非国家アクターの活動の積み重ねが、残る会期中に行われる政府の交渉を実りあるものへと推し進めてくれることが期待されます。