G7の一員として、日本が化石賞を受賞しました
2024/11/18
11月15日、アゼルバイジャンの首都、バクーで開催されている国連の気候変動会議、COP29で、日本はG7(主要7か国)の一員として、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランス、イタリアとともに化石賞を受賞しました。
化石賞は、気候変動に取り組む130か国の1,800を超える世界最大のNGOのネットワーク、CANインターナショナルが、その日の交渉を後退させる言動を行なった国に与える不名誉な賞。毎夕に行われる授賞式には、多くの参加者が詰めかけ、国際メディアを通して世界中に発信されるCOPに欠かせないイベントです。
G7が受賞した理由は、この会議の最大の焦点である「新しい気候資金の目標」(NCQG)の交渉を加速させる努力をしていないことでした。
先進国が途上国の気候変動対策のために行う資金供与の議論は、2009年に開催されたCOP15で、先進国は途上国に、公的な支援と民間投資を合わせて年間1,000億円の資金を供与および投資すると約束したことにさかのぼります。しかし、気候資金の拠出はなかなか増えず、先進国がみずから決めた誓約を達成したのは2022年のことでした。
2015年に採択されたパリ協定には、2024年までに1,000億ドルを上回る2025年以降の新しい資金目標を決めることが盛り込まれました。長年にわたる課題に決着をつける会議、それがCOP29なのです。COP29が「資金COP」と呼ばれる理由はここにあります。
しかし、リーダーシップを取るべきG7諸国は、「気候資金の目標金額を提示することなく会議に臨んだうえ、交渉を停滞させている」と評価されました。化石賞は、そんなG7諸国への期待を込めて、合意に向けたリーダーシップを発揮するよう求めたものといえます。
先進国が気候資金の拠出を通して途上国での気候変動対策を進めることは、先進国を含む世界全体を危険な気候変動から守ることにつながります。グテーレス事務総長が開会式で述べたように、気候資金の拠出は慈善ではなく投資であり、その投資は自国民を守るためにも必要なのです。