【COP26】日本が化石賞を受賞しました
2021/11/04
イギリスで開催されている国連の気候変動会議COP26 。
首脳級会合が2日目を迎えた11月2日、日本が「化石賞」を受賞しました。
化石賞は、気候変動に取り組む世界130か国の1500を超えるNGOのネットーワーク「CANインターナショナル」が、その日の国際交渉の中で、温暖化対策に消極的だった国に与える不名誉な賞です。
今年は感染拡大防止のために授賞式は行なわれませんが、例年、この授賞式は多くの参加者が詰めかける一大イベントで、国際メディアを通して世界中に発信されます。
日本の受賞理由は、首脳級会合に登壇した岸田首相が、水素やアンモニアを利用した「火力発電のゼロ・エミッション化」の名の下に、石炭をはじめとした火力発電の維持を表明したことでした。
世界は今、気温上昇を1.5度未満に抑えるという希望を維持できるかどうかの岐路に立っています。その希望をつなぐ重要な政策が石炭火力の廃止です。
だからこそ、グテーレス国連事務総長をはじめ主要国の首脳は、COP26が1.5度目標を実現する最後のチャンスだとして、石炭火力からの撤退を要請しているのです。
特に、議長国イギリスのジョンソン首相は、120か国もの首脳を集めてリーダーズサミットを開催し、「先進国は2030年までに、途上国は2040年までに石炭火力の廃止」と、期限を設けて確実な廃止を迫りました。
しかし岸田首相は、石炭火力の廃止にも、1.5度目標にも言及せず、むしろ火力発言が今後も必要であり、国内のみならずアジアにおいても火力のゼロエミ化で貢献すると主張したのです。
岸田首相の演説が終わると、世界の市民社会は1.5度目標の達成を危うくするとして、化石賞の授与という形で厳しい評価を下しました。
しかし、この化石賞の授与は、世界の市民社会からの日本への「期待」でもあります。この期待に対して日本がどう応えるのか。責任ある先進国としての対応が問われています。
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