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COP26が開幕しました


10月31日、新型コロナウィルス感染症拡大のために延期されていた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が、イギリス北部のグラスゴーで開幕しました。

2年ぶりに開催されたグラスゴー会議は、毎朝、新型コロナの簡易検査を行なって陰性証明を提示した参加者だけが入場を許されるほか、会場内で厳重な感染防止対策が講じられています。

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議長国イギリスが、それも対面での開催をゆずらなかったのは、気候危機の解決には猶予がないからです。

COP26の目的は、まずパリ協定の実施指針のうち最後まで難航している未解決の議論を終えてルールブックを完成させること、そして世界が力を合わせてパリ協定の目標である1.5度目標を実現することにあります。

開会式で演説に立ったCOP26のシャルマ議長は、「コロナ禍でも気候変動は進んだ。1.5度目標を達成するためのドアは閉じようとしている」と危機感を共有しつつ、「パリが約束したことを、グラスゴーが実現する。私たちは気候危機を解決できる。地球を守ることができる」と合意に向けた強い決意を表明しました。

1.5度目標を達成するためには、2030年までに世界の温室効果ガスの排出量を2010年比でほぼ半減させなければなりません。しかし、国連が各国の最新の削減目標を分析すると、2030年には削減どころか16%も増加することが明らかになりました。

この報告書をまとめた国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)のエスピノーザ議長は、「私たちは今、歴史の転換点に立っている。グラスゴー会議を成功させ、脱炭素社会のスタート地点にしよう」と呼びかけ、演説の中で何度も「Success is possible (成功できる)」とくり返して、各国の対策強化を求めました。

世界から集まったWWFの専門家チームは、会議の成功をめざして2週間の会期中にさまざまな活動を行います。地球の未来を賭けたこの会議に、ぜひご注目ください。

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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