ハゼ・ハゼ・ハゼに絶滅危惧魚も(西表島 浦内川調査)
2021/07/08
日本国内で「高い保全価値」(High Conservation Value:HCV)を有するフィールドとして、WWFジャパンが新たに保全プロジェクトを開始した沖縄県の西表島・浦内川流域。
その河口で始まった橋架け替え工事の影響を調べるため、6月15日、水中の様子と未だ全容が明らかになっていない魚類群集の調査を実施。
6名の地元ダイバーの皆さんにより、河口域3か所のポイントで水中撮影が行われました。
撮影された画像は私たちプロジェクトメンバーや研究者に早速共有され、6月29日夜、日本魚類学会自然保護委員の鈴木寿之先生を講師にお招きして、種同定・勉強会がオンラインで開催されました。
調査は1日だけでしたが、22種のハゼ類を含む合計47種の魚たちの姿を確認。
鈴木先生が次から次に同定していくハゼ達の写真を見ながら、色とりどりで姿形も様々なハゼ等魚類の多様性に圧倒されました。
さらに撮影された魚類の中には、捕獲圧を防ぐため種名は伏せますが、ハゼ以外の絶滅危惧種の姿も見られました。
鈴木先生からは、水中の岩場や底質への土砂の堆積はハゼ等の生息に影響が大きく、こうした水中の様子を継続して確認していくことが重要であるとのご指摘がありました。
今年から10年以上にわたって続く予定の橋の架け替え工事が、浦内川の魚類を始めとする野生生物に深刻な影響を与えない形で行われるように、これからも地元の皆さんと協力して確認していきたいと思います。
今後の調査でどんなハゼや魚たちに出会えるかも楽しみです。
続報乞うご期待。
(野生生物グループ 小田倫子)