©Martin Harvey / WWF

東京都による象牙の海外持出防止策に対する声明!


アフリカゾウの密猟を防ぐため、現在国際取引が原則禁止されている象牙。

経済発展が著しいアジア諸国の需要の高まりを受け、象牙を狙った密猟と違法取引(密輸)が続く中、国際社会では今、自国内の象牙取引を禁止する国が増えています。

象牙目的で年間2万頭のアフリカゾウが違法に殺されているといわれています
©Juozas Cernius / WWF-UK

象牙目的で年間2万頭のアフリカゾウが違法に殺されているといわれています

日本では現在も、過去に合法的に輸入された象牙やその象牙製品の国内取引が継続されていますが、近年、日本から中国を中心とした海外への違法な輸出が多発。

国として、象牙取引の在り方について指針を定め、規制強化に取り組むことが求められますが、そうした対応はいまだに取られていません。

その中で、東京都は2020年1月、東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)を前に、「象牙取引規制に関する有識者会議」(象牙有識者会議)を立ち上げ、国際都市としての立場から、この問題の対策を検討し始めました。

この象牙有識者会議の委員として招聘されたWWFジャパンは、アフリカゾウや象牙取引の現状について情報を提供すると共に、東京都に対し、対応の遅れる国に先駆けた有効な取り組みを行なうよう求めています。

2021年2月には、具体的な施策について提案を行ないました。

そして、2021年6月25日に東京都が開始した、日本で購入可能な象牙製品が、訪日外国人を含む購入者によって、国外に持ち出される違法行為を防止する施策に対しても声明を発表。

この中で、今回の施策が抜本的な解決に向けた内容になっていないことを指摘し、国際都市として、象牙取引の原則禁止に向けた指針の表明と、それに基づく長期的な施策の策定を求めました。

今後も、建設的な議論が促進されるよう、有識者会議に参加しながら、東京都に対する情報の提供と提言を行なっていきます。

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

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